研究概要 |
天候の変動が屋外で撮影される画像に及ぼす影響を調べ,以下の1,2,3のアルゴリズムを考案し,実画像による実験で有効性を確認した.また,対象が人間の場合,状況の把握には動作(ジェスチャー)認識が有効であるため,画像から簡便に動作を認識する4のアルゴリズムを考案し,実験室における動作認識実験で有効性を確認した. 1,日照変動や影による悪影響に頑健な対象物検出アルゴリズム 「平面投影に基づくステレオ視」は移動体によって生じる影領域を除去する上で有効であるが,一方の画像において対象物により隠蔽されている平面状の領域(隠蔽領域)が誤検出されるという問題点を抱えていた.本研究では,検出された領域の輪郭と原画像中のエッジを比較し,対象物領域と平面上の隠蔽領域に分離するアルゴリズムを新たに考案することで,この問題点を解決した. 2.視界不良時に頑健な移動体検出アルゴリズム 降雪時や霧が濃い場合、視界は短時間で大きく変動する。また、吹雪など降雪量が多い場合には、各画素の輝度値がフレーム毎に激しく変化し、画素単位で輝度の変化を比較する手法では誤検出が多発する。これらの問題点を解決するため、画像を一定サイズの格子ブロックに分け、各ブロック内で蓄積フレーム数が異なる2つの輝度ヒストグラムを求め、その間の相関を算出することで移動体を検出するアルゴリズムを考案した。 3.画像による視界不良程度の測定アルゴリズム 画像をいくつかの格子ブロックに分け,各ブロック内の輝度ヒストグラムの分散値の変化から吹雪や暗闇の程度を解析し,対象物が視認できる状況か否かを判定するアルゴリズムを考案した. 4.ステレオ画像列からの動作認識アルゴリズム 1枚の画像で水平(X軸)方向,垂直(Y軸)方向,時間軸方向の情報を保持するTemporal Templatesにステレオ視で求めた視差情報を加え,奥行き(Z軸)方向の動作の違いが識別できる動作認識アルゴリズムを考案した.
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