研究概要 |
手ぶれ劣化のモデルとして運動劣化システムを用い,手ぶれJPEG画像を生成するモデルを考察した.そのモデルなどをプログラム化し,計算機実験により,手ぶれJPEG画像を生成した. これまでに研究し成果のある運動劣化画像の復元法に,JPEGの符号化・復号化のモデルを加えることにより,運動劣化JPEG画像の鮮明化処理を行う方法を考察した,その際に,画像の局所的な性質として,エッジの位置及び方向性と画素毎の変化の強さなどの画像の非定常的な性質を考慮した鮮明化画像の評価基準を考察した.その画像の非定常的な性質を抽出するために,JPEGの符号化・復号化を考慮しない従来の運動劣化復元法を用いて鮮明化を行った一時的な鮮明化画像を用いた. この考案した運動劣化JPEGシステムの鮮明化法の有効性を検証するために,計算機実験を行い,その有効性を確認した. また,鮮明化処理を行うには,本来,運動劣化の長さの推定が必要であるが,実現が難しいため,特定のパラメータを用いて鮮明化処理を行った画像を評価することを行った.鮮明化処理画像に観測値差分フィルタを適用し,その出力のパワースペクトルのゆがみを,評価値として用いる.これは,観測値差分フィルタが白色化フィルタであることを利用して,鮮明化処理画像の観測値差分フィルタの出力が白色にどれだけ近いかを評価するものである.計算機実験を行い,鮮明化処理時に用いる運動劣化の長さを変化させながら,鮮明化を行った画像に対しての評価値は,原画像と鮮明化処理画像との平均二乗誤差とほぼ同じ傾向があることを確認した.
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