研究課題/領域番号 |
17500131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知覚情報処理・知能ロボティクス
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
嶋野 法之 近畿大学, 理工学部, 教授 (10257975)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,150千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 画像入力 / ノイズ / 分光反射率の復元 / 画像入力装置の品質 / ウィーナ推定 / マルチチャンネルカメラ / 分光反射率復元 / 最適化 / 画像取得 |
研究概要 |
歴史的に貴重な絵画や美術作品などのデジタルアーカイブは人類の文化遺産を後世に残す意味で極めて重要な技術課題である。美術作品の印象は照明で大幅に変化し、多様な照明のもとで人間が観察したときの画像をコンピュータ画像処理により再現する必要がある。そのためには撮影画像データから被写体の分光反射率を復元し、視覚系の色順応を反映したカラー画像再現を行う必要性がある。この目的を達成するために、画像データから分光反射率を正確に復元するためのモデル開発が重要であり、本研究ではこの復元モデルの開発とマルチチャンネルカメラの最適化に関する研究を行い以下の成果を得た。 本研究では学習サンプルを用い入カシステムのノイズ分散を推定する新たなモデルを提案し、この推定されたノイズ分散と学習サンプルの分光反射率をウィーナ推定に用いることにより、被写体の先験情報を用いずに分光反射率が正確に復元できることを明らかにした。更に、本研究成果による復元方法と既存の復元方法を比較し、被写体の分光反射率に関する先験情報を用いないとき、本モデルが最も正確に復元できることを明らかにした。 次に、分光反射率の復元を目的とする入力系の評価モデルと測色値の取得を目的とする入力装置の簡潔な評価モデルを開発し、実験結果と提案モデルが極めてよく一致することを明らかにした。測色的評価モデルを用い、現実のノイズレベルで7チャンネルのマルチバンドカメラの分光感度の最適化を図り、カメラの製作を行った。 最後に日本画、油絵および水彩画を撮影後、分光反射率を復元し多様な照明下における画像のカラー画像再現を行った。 以上により、本研究成果により被写体の分光反射率についての先験情報を用いずに、画像データから被写体の分光反射率を正確に復元することが可能になり、今後多様な照明環境の下でのカラー画像再現において重要な役割を果たすものと思われる。
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