研究課題/領域番号 |
17500155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
感性情報学・ソフトコンピューティング
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研究機関 | 萩国際大学 (2006) 広島国際大学 (2005) |
研究代表者 |
長町 三生 萩国際大学, 国際情報学部, 教授 (50034327)
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研究分担者 |
西野 達夫 広島国際大学, 心理科学部, 助教授 (00104076)
石原 茂和 広島国際大学, 心理科学部, 教授 (90243625)
岩城 達也 広島国際大学, 心理科学部, 講師 (70341229)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 感性工学 / 庭園設計 / ストレス / ストレスの癒し効果 / 庭園の快適性 / 知的3次元庭園作成システム / 感性 / 多変量解析 / 庭園の癒し効果 / 3次元表示 |
研究概要 |
現代人は子どもから高齢者まで、社会、職場、学校、家庭などあらゆる場面からストレスを受容していて、それが社会行動に望ましくないいろいろな作用をしている。森林をはじめとする自然がこのようなストレスを癒す効果を持つが、森林も開発されてあまり残されていない。そこで残されているのは庭園・公園・国定公園などの人工的な空間であり、これらが効果的に設計されることが要求される。本研究は、もっとも身近な庭園が果たして癒し効果を持つのか、また癒し効果を持つ設計とはいかなるものかを、感性工学的に明らかにすることが、研究の目的である。 研究は3部作に分かれていて、(1)庭園が脳波上でも快適性や癒しで効果を持つか、また効果を持つ庭園はどのようなものか、(2)「こころが癒される」「自然の中にいる感じ」「小鳥がきそう」などの感性にどのような庭園デザインが関係するかを明らかにする、(3)それぞれの感性に対応する庭園デザインが明白になったところで、顧客から感性に対応する庭園設計を求められた際に、知的なコンピュータによって自動的に3次元設計ができるシステムを開発し、造園業のビジネスに寄与する、である。 (1)150種類の庭園写真からえばられた写真とその現場とで、観察者の脳波に快適性や癒しが出現できるかを実験したとこ、複雑でなく割りとあっさりした庭園で脳波上快適性が認められた。芝生の割合広々した庭園は快適性が現れた。庭園のタイプと脳波上の快適性の問に一定の関係が存在することが判明した。但し観察中に騒音が入ると快適脳波が妨害された。 (2)「こころが癒される」「自然の中にいる感じ」など庭園に関連する感性ワードを26種類抽出し、これらを5段階SD尺度に作成し、150写真からわかりやすい47種類の写真庭園を選び、大学生・造園士計36名に評価させた。評価結果を因子分析・数量化理論1類で分析したところ、各感性に相当する庭園デザイン(Item/Category)が抽出できた。このデータに基づいて、庭園自動設計システムを開発する。 (3)感性に対応する庭園設計データをデータベースとし、感性から庭園設計を実現する知的庭園作成3Dシステムを構築した。このシステムの重要ポイントはどの角度から眺めても木や石が自然に見える3次元表示が可能になることであり、バーチャルリアリティ技術を駆使して完成することができた。 今後の課題として、現実にいろいろな顧客に試して詳細に能力を高めることと、国定公園やマンションの周辺広場などの広域庭園にどのように活用できるかを検討すること、が残されている。
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