配分額 *注記 |
3,830千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
高次元モデルについて,性能の良い予測法・推測法,情報幾何のアプローチを用いてベイズ法に基づいて系統的に構成する手法の研究を行った.観測数に比例して未知パラメータが増える典型的なモデルであるネイマン・スコットモデルを特にとりあげ,ネイマン・スコット型のモデルが,情報幾何の立場から高次元の負の定曲率空間として捉えられることを示し,またモデルに作用する自然な変換群が存在することを利用して性能のよい予測分布が構成できることを示した.変換群を考察することにより,よく知られたジェフリーズ事前分布に基づく予測よりも良い,不変な予測が構成できること,モデル多様体の微分幾何学的性質を調べることによりさらに良い予測が構成できることを示した.また正規分布の平均に対してコーシー分布を仮定する事前分布がある意味で自然であることを示した.この結果は他の多くの場合に見通しをあたえるものとなっている.さらに,無限次元のパラメータをもつモデルであるセミパラメトリックモデルに基づく統計的推測・予測の問題について研究を行った.セミパラメトリックモデルに対する経験尤度に基づく手法について情報幾何学的視点からの定式化を与え,それに基づいて手法の性質を調べた.これは,セミパラメトリック・ノンパラメトリックモデルに基づく手法を理論・応用する際の基礎となるものである.また,統計学上重要な問題である多重性を考慮に入れた予測手法について研究を行った.特に,生物学等で重要になる,多量のデータを扱うときに実用的に多重性の問題に対処できる統計手法,とくに,性能のよいベイズ予測,ベイズ推測を構成する理論の基礎的な方向性を与える結果を得た.
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