研究課題/領域番号 |
17500215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
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研究分担者 |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70094307)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,710千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | エストロジェン / トランスジェニック / 性差 / 視索前野性的二型核 / 海馬 / カリウム電流 / 最後野 / 血圧調節 / エストロジェン受容体 / 遺伝子プロモーター / 性的二型核 / 性分化 / 電気生理 / 膜電位依存性チャネル |
研究概要 |
エストロジェンは中枢神経に作用し、生殖内分泌調節に加え、シナプス可塑性、神経保護作用などに中心的な役割を演じている。本研究の目的は、我々が作出したエストロジェン受容体遺伝子プロモータートランスジェニックラットにおけるEGFPにより可視化されたエストロジェン感受性ニューロンを用い、エストロジェンの様々な機能について細胞レベルで検討することである。研究期間内の成果のうち、最も意義深いものは、EGFP発現が視索前野性的二型核の新規特異的マーカーとして活用できることが明らかとなった点である。この神経核は周生期のエストロジェンにより雌雄差が形成されるが、特に生きた状態で活用できる特徴を生かすことで、このEGFP発現がその性分化機構解明のツールとして、貢献することが期待される。一方、可塑性や神経新生に対するエストロジェンの作用が注日されている海馬にもEGFP発現が観察される。このEGFP発現初代培養細胞を用い、カリウム電流に対する生理学的濃度のエストロジェンの急性および慢性効果を電気生理学的に明らかにした。48時間のエストロジェン曝露では、培養10日まではカリウム電流促進効果、12日以降は逆に抑制効果が、また48時間曝露した細胞にエストロジェンを急性投与すると促進効果が観察され、エストロジェンは海馬ニューロンの発達や興奮性に影響を与えていることが示唆された。もう一点特筆すべきことは、血圧調節に重要な最後野や弧束核にEGFPの発現が認められ、最後野では雄より雌でEGFP発現細胞数が多かったことである。雌では血圧上昇がエストロジェンによって抑制されることが知られており、血圧調節の性差についても今後の研究進展が期待される。以上の様にエストロジェンの多機能性について様々な知見を得ることができた。今後は更に詳細な作用機構の解明を目指していきたい。
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