研究課題
基盤研究(C)
パーキンソン病(PD)は黒質ドーパミン神経の選択的変性により、進行性の運動障害をきたす原因不明の神経変性疾患である。本研究において我々は、小胞体ストレス蛋白の一つORP150、若年性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子の一つであり、ユビキチン架橋酵素であるParkin、Parkinの基質として同定され、小胞体ストレスを誘起することが判明している蛋白質Pael受容体(Parkinassociated endothelin like receptor: PaelR)、更に、やはり小胞体を誘起することが判明している分泌系蛋白質Megsinを用いて、パーキンソニズムにおける小胞体ストレスの役割をより明らかにする事を目指した。アデノウイルスを用いて、PaelRをマウス線条体から逆行性に黒質緻密層(SNpc)に発現させた所、SNpc特異的に小胞体ストレス由来の神経細胞死が起こり、それらはGRP78やParkin等の小胞体関連蛋白の強制発現で改善されたが、HSP70など細胞質局在のストレス蛋白の強制発現では改善されなかった。また、小胞体ストレスモデル動物であるメグシン過剰発現ラット(Tg Meg rat)の海馬及びSNpcでは、神経細胞内凝集体の存在、小胞体ストレスの上昇に加えて、神経変性(神経細胞死)が観察された。このことから、SNpcの神経細胞が特に小胞体ストレスに対して脆弱であることが明らかになった。本研究を通じて、小胞体ストレスとパーキンソニズム発症の関連がより明らかになり、今後、小胞体ストレス制御による新しい神経保護法の開発が可能になると期待される。
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