研究課題/領域番号 |
17500228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
工藤 基 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80108141)
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研究分担者 |
相見 良成 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20231756)
瀧 公介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20359772)
力丸 裕 同志社大学, 工学部, 教授 (90260207)
黒川 清 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (40215083)
中村 高秋 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30314157)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,580千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 聴覚 / 下丘 / 耳鳴り / P2X / ノシセプチン / ラット / 大脳皮質 / 免疫組織化学 / ノシセプシン / GABA |
研究概要 |
中枢性耳鳴りは大脳皮質から下丘への下降投射系が異常をきたして聴覚脳幹の抑制系の機能不全から惹起されるという仮説を我々は持っている。プレプロノシセプチン遺伝子のプロモーター支配下にコレラ毒素Bが産生されるような人工遺伝子を作成し電気穿孔法で下丘ニューロンへ導入に成功しDNAトレーサーとしても使用できることを確認した。さらに大脳皮質剥離ラットでGABAやGlycineやVGluT(vesicular glutamate transporter)とノシセプチンの二重染色した。本研究ではさらにP2Xが聴覚中枢でどのように分布しているかを成熟ラットで調べた。P2X受容体には7つのサブファミリーが知られているが、RT-POR法と免疫組織化学でP2X_1とP2X_4について下丘内での陽性細胞を検出し報告した。今回の研究では、聴覚脳幹におけるP2X_1の発現についてトレーサーとの二重蛍光染色や発生学的解析を用いてさらに詳しく調べた。その結果、1)P2X_1陽性の軸索線維と終末が下丘全体に分布している。その終末分布はランダムでTonotopical Laminaとは一致していない。2)P2X_1陽性の軸索線維は大脳皮質聴覚領由来のcortico-collicularな投射線維であると考えられる。3)かなりの数のP2X_1陽性ニューロンが下丘中心核に分布している。これらの陽性像では細胞質ではなく細胞膜が染色されているように観察される。これらの陽性細胞は7〜8週齢の段階では観られるが11週齢〜12週齢になると殆どの個体で消失する。4)多数の明瞭なP2X_1陽性ニューロンが内側台形体核に存在する。ここでは細胞膜だけでなく細胞質全体が染まった。以上の事実はP2X系の神経回路網が聴覚中枢にも存在し、聴覚侵害刺激情報処理モデルとしての有用性に繋がる可能性が強く示唆された。
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