研究課題/領域番号 |
17500248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 勉 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30302798)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | シナプス / PSD / NMDA受容体 / PSD-95 / SPAL-1 / 学習 / 記憶 / スパイン / シグナル伝達 / 神経科学 / 脳・神経 |
研究概要 |
本研究では、新規GTPase活性化タンパク質SPAL-1の生理機能や、脳高次機能の制御におけるNMDA受容体/PSD-95/SPAL-1複合体の意義を個体レベルで明らかにするため、SPAL-1欠損マウスの解析を行い、以下の成果を得た。 1.恐怖条件付けおよびモリス水迷路において、SPAL-1欠損マウスは学習能力の顕著な低下を示し、海馬および扁桃体における機能障害が示唆された。脳の細胞構成や構造に発生上の異常は認められないことから、この学習障害は脳の器質的な異常に起因するのではなく、神経細胞内のシグナル伝達などの機能的な異常によるものであると考えられた。 2.瞬目反射条件付けを解析した結果、SPAL-1欠損マウスでは小脳および脳幹に依存するdelay paradigmと、小脳および脳幹に加えて海馬にも依存するtrace paradigmとの両方に学習障害が起こることを見出した。このことから、NMDA受容体とSPAL-1とが物理的に複合体を形成しているだけでなく、機能的にも関連していることが示唆された。 3.電気生理学的解析を行った。海馬スライスを用いたLTPの解析により、SPAL-1欠損マウスで海馬CAI領域のLTPが増大していることを見出した。 4.脳組織について、スパインの形態、シナプスの構造、PSD長等を電子顕微鏡レベルで検討した。その結果、野生型マウスに比べてSPAL-1欠損マウスではスパインが小さく、さらにPSD長が短い傾向にあった。スパインの密度には差は認められなかった。 5.不安を測るテスト、および協調運動・運動学習能力のテストを行った。その結果、オープンフィールドテストでSPAL-1欠損マウスの活動量の充進(多動性)が認められた。
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