研究課題/領域番号 |
17500258
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
金野 柳一 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30129043)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | セリンラセマーゼ / ノックアウトマウス / D-セリン / NMDA受容体 / 統合失調症 / モデルマウス / キメラ / ES細胞 |
研究概要 |
ヒトや動物の脳には非天然型のD-セリンが多量に存在している。このD-セリンはN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体のコ・アゴニストとして神経伝達を増強すると考えられている。D-セリンはセリンラセマーゼによりL-セリンから合成されると考えられているが、この酵素とD-セリンの働きについてはよくわかっていない。そこでセリンラセマーゼのノックアウトマウスを作出し、この酵素の欠損がどのような作用を及ぼすかを解析する。 セリンラセマーゼ・ノックアウトマウス作出のため、マウスゲノムライブラリーをスクリーニングして、セリンラセマーゼ遺伝子を持つクローンを単離した。遺伝子上流域と下流域を遺伝子破壊用のベクターに組み込んだ。ベクターをエレクトロポレーションによりES細胞に導入し、ネオマイシン耐性クローンを得た。そのうちセリンラセマーゼ遺伝子と相同組換えを起こしているヘテロ接合体クローンが6株あった。それらについて正常な核型をもっていることを確認した。3株のESクローンをC57BL/6Jマウスの胚盤胞初期胚へマイクロインジェクションし、それをマウスの子宮に移植した。その結果、オス3匹のキメラマウスが誕生した。このキメラマウスと野生型C57BL/6Jのメスのマウスを交配させたところ、F1ヘテロ変異体マウスが29匹産まれた。このF1マウス雌雄の交配によって、セリンラセマーゼ欠損ホモ変異体15匹、ヘテロ変異体35匹、野生型15匹のF2マウスが産まれた。今後、これらのマウスについて生育過程を調べるとともに、脳や種々の臓器、血液中のD-セリンの量を測定する。さらにC57BL/6Jマウスにバッククロスを継続的に行い、セリンラセマーゼ・ノックアウトマウスの系統を樹立する。これらのマウスを用いて、セリンラセマーゼの機能と神経系におけるD-セリンの機能の解明をめざす。
|