研究課題/領域番号 |
17500262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高松 研 東邦大学, 医学部, 教授 (90154898)
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研究分担者 |
浜ノ上 誠 (浜之上 誠) 東邦大学, 医学部, 助手 (00312025)
大澤 郁郎 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (30343586)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オリゴデンドロサイト / p38MAPキナーゼ / アポトーシス / HIV / TAT |
研究概要 |
髄鞘形成細胞であるオリゴデンドロサイト(OLG)は様々な刺激に反応して容易にアポトーシス(細胞死)を実行し脱落しやすい細胞である。このOLGの脱落は脱髄性神経疾患の一因と考えられており、OLGのアポトーシス制御を含めたその生存機構の解明は、脱髄性神経疾患の治療及び機能再生という点で重要である。p38MAPキナーゼ(p38 MAPK)は様々な外的刺激により誘導されるセリン・スレオニンキナーゼであり、中枢神経系を始め全身の細胞に存在し、細胞増殖・分化・生存などの機能を担っていることが知られているが、成熟OLGにおける発現や機能についての詳細は不明である。 本研究課題では、1.成熟OLGにおけるp38 MAPK発現、2.p38 MAPKと成熟OLG生存活性の関連性、3.細胞膜透過性を有するHuman immunodeficiency virus (HIV)-Tatペプチドとp38 MAPKタンパク質との融合タンパク質のOLG内への導入による効果、について解析し、脱髄性疾患の予防及び治療法の開発に資することを目的とした。 1.免疫細胞化学染色、ウェスタンブロット解析により、成熟OLGはp38 MAPKを発現し、その一部は活性型となっていることを明らかとした。2.p38 MAPK特異的阻害剤を用いた細胞生存活性および細胞死活性の測定の結果、p38 MAPK阻害による成熟OLGのアポトーシス誘導と、著明な生存活性の低下を認めた。これらのことから、p38 MAPKは成熟OLGの生存維持に必須の因子であることが示唆された。3.成熟OLGの生存に深く関わるp38 MAPKを直接制御する目的で、細胞膜透過性を有するHIV-TATペプチドとp38 MAPKタンパク質の融合タンパク質を作製した。TAT-p38 dominant negative型融合タンパク質は培養OLGに取り込まれ、生存する成熟OLG細胞数の減少を引き起こした。このことから、成熟OLGの生存がTAT融合p38 MAPKタンパク質により直接制御できることを明らかにした。現在、in vitroおよびin vivoでp38 MAPKタンパク質導入によるOLG生存維持の効果について解析を続けている。
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