研究課題
基盤研究(C)
現在遺伝子改変動物(ノゾクアーウトマウス)の作出には、胚盤胞へのインジェクション法が多く行われている。しかし、この技術は高価な器機と高度な技術を有する優秀な技術者の確保が必須となる。そこで、我々は簡便な器機で容易にキメラマウスを作出できる技術(アグリゲーション法)の改良を行い、普及に努めてきた。その結果インジェクション法と同等の効率でキメラマウスを作出できる成績を得られるようになり、多くの遺伝子改変動物(IL-1α、IL-1β、IL-1Ra, IL-16,IL-17,ADAM12,MD-1,NR2B他数種)を作出し、多数の成果を論文で報告している。しかし、インジェクション法もアグリゲーション法もキメラマウスの作出率は10-20%程度を低く、更なる改良の必要性を実感している。長年アグリゲーション法により多くのノックアウトマウスを作出してきた経験の中で、1-2例に100%キメラを高率に得る事ができ、そのすべてが生殖系列系のキメラマウスであるという成績を得ている。そこで、これらの経験から、高率にキメラマウスを作出するにはよいES細胞を得る事と、ES細胞の細胞周期および受精卵の同期化に関係があるのではないかと考えた。そこで、本研究では良いES細胞の樹立を試みるとともにES細胞の同期化を複数の薬剤を用いた検討した。その結果、ES細胞は長年用いている129系統由来E14.1の他に、C57BL/6系統由来2株、BALB/c系等由来1株、NZB系統由来1株を樹立し、ライン化に成功した。また、これらのコントロールとして、海外で多数使用されているC57BL/6、BALB/c系統由来ES細胞株およびフィーダー細胞1不要なES細胞株も入手し、検討を行っている。現在129系統由来E14,1ES細胞株を用いて、細胞周期を同期化しキメラマウス作出を行い、その成績を蓄積している段階である。その他の系統由来ES細胞株においても実施していきたい。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (15件)
Int. Immunology. 18
ページ: 399-407
10020621858
Journal of Immunology
ページ: 1646-1654
Jouenal of Immunology
ページ: 566-573
EMBO Journal 25
ページ: 2867-2877
Int.Immunology. 18
Hum.Mol.Genet. 15
ページ: 233-250
Int.Immunol. 18
J.of Reproduction and Development 51
ページ: 579-592
10027325866