研究課題
基盤研究(C)
1、目的:コンピュータ支援人工膝関節置換術における、解剖学的参照点入力時の人為的誤差軽減の為の超音波探触子と3次元電磁センサを用いた新たな支援システムを構築すること。2、研究結果:超音波探触子表面にナノテクノレジンを接触媒質として新たに加え、比較的薄い軟部組織を介した皮膚表面からの骨表面導出での、超音波の乱反射や反射波と送信波の重畳などの技術的問題を解決した。3次元電磁センサ設置可能な超音波探触子台座を作成し、屍体を用いて膝関節の運動測定を行った。膝関節運動の定義に必要な解剖学的参照点を新たな装置を用いて皮膚上から入力した場合と、参照点部分の軟部組織を除去して直接骨表面より直接入力した場合における膝関節運動値の比較を行った。新たな装置を用いて骨表面の3次元位置情報の取得は安定して可能となった。非侵襲条件下の皮膚上から取得した参照点データによる膝運動計測も可能となり、その精度は骨表面から直接入力した実測値と比較しても臨床的に応用可能な誤差範囲に収まった。3、本研究の意義:コンピュータ支援手術は人工膝関節置換術の手術精度向上の為に今後普及すると考えられるが、解剖学的参照点入力時のヒューマンエラーがその精度の大きな問題であった。本研究により超音波を用いた非侵襲条件下での皮膚上からの参照点の取得技術が確立され、今後のコンピュータ支援人工膝関節置換術の手術精度の向上に寄与すると考えられる。また、本研究による超音波を用いた骨表面の3次元位置情報の取得技術は、今後、整形外科手術においては脊椎や股関節、骨折等のコンピュータ支援手術にも応用可能と考えられた。
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