研究課題/領域番号 |
17500330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田中 伸明 山口大, 医学部附属病院, 講師 (50197456)
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研究分担者 |
村田 和也 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (60314803)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 高血圧 / 肥大心 / 拡張機能 / 心エコー / 加齢 / 性差 |
研究概要 |
高血圧性肥大心の拡張機能評価に当たり、初年度である本年度は、まず心エコー検査のデータベースを中心にした後ろ向き調査を行うことによりその特徴を検討した。【背景】近年、僧帽弁血流波形(TMF)は左室拡張機能評価の第一歩としてルーチンに記録されることが多い。健常者のTMFは、若年者ではE>Aだが加齢とともにE/Aは小さくなり、やがてE<Aとなることが知られている。また、高血圧症患者では左室コンプライアンスの低下などにより左室充満における心房収縮の寄与が高まり、より若い年齢でE/Aが小さくなると考えられるが、これに関する国内のデータは少ない。【目的】高血圧患者のTMFにおけるE/Aの加齢による変化を明らかにすること。【方法】当院の心エコー検査報告書のデータベースから、健常者(n=395)におけるE/Aと、高血圧症患者(n=555)におけるE/Aの年齢別変化を検討した。【結果】(1)健常者では加齢とともに緩やかなE/Aの低下を認めた。その結果E/Aの平均値が1以下となるのは60歳代以降であった。(2)一方、高血圧症患者ではすでに30歳代、40歳代でE/Aの有意な低下を認め、50歳代にはE/Aの平均値は1以下であった。【結論】高血圧患者では健常者に比べてE/Aの平均値としては10歳早くE/Aの逆転が生じていた。【考察】TMFは日常用いることの多い簡便な拡張期指標である。TMFは一時的には拡張期の左房・左室圧格差で決定されるが、そのパターン変化は左室拡張能を反映することが知られている。TMFのパターンについては解釈上の限界も知られており、その場合肺静脈血流波形や左室流入血伝播速度、組織ドプラ法などと組み合わせて評価されることも多い。しかし、それ以前の問題としてTMFは加齢によっても大きな影響を受ける。今回の検討によりE/Aの解釈において改めて年齢という因子を参考とするべきことが確認された。
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