研究課題/領域番号 |
17500332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
猶原 隆 愛媛大学, 理工学研究科, 助教授 (50093935)
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研究分担者 |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20210958)
青野 宏通 愛媛大学, 理工学研究科, 助教授 (00184052)
前原 常弘 愛媛大学, 理工学研究科, 講師 (40274302)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 癌治療 / ハイパーサーミア / ラジオ波焼灼療法 / フェライト粉末 / 高周波誘導焼灼法 / ヒシテリシス損失 / 動物実験 |
研究概要 |
多くの癌治療法の中に、熱を加えることで腫瘍を凝固壊死させる方法がある。例えば、ラジオ波焼灼療法では、患部に刺入した穿刺針(アンテナ)の先端から電磁波を照射して、腫瘍のみを選択的に60〜80℃に加熱する。また、ハイパーサーミアと呼ばれる高周波誘電加温法は、生体間に挟んだ電極から8MHzのラジオ波を照射して、生体全体を約42℃に加熱する治療法である。本研究プロジェクトでは、これらの治療法の問題点を克服した、新しい肝癌の高周波誘導焼灼治療システムの確立を目指した。 焼灼用磁性材料として用いるMgフェライト粉末の作製には、出発材料を金属硝酸塩とする逆共沈法を用いた。また、これらの粉末をカテーテルで腫瘍に到達させるには、長時間放置しても沈殿しない磁性流体化を実現させる必要がある。各種の酸を用いてph調整を行った結果、調整剤として塩酸を用いた場合に、pH1〜pH3の範囲でマグネタイト粉末の微細分散状態が得られた。 Mgフェライトの高周波誘導磁場中での加温特性は、焼結法で針状に成型した場合とチタン管に充填した場合について、磁場強度1.77kA/m、周波数370kHzの条件下で調べた。円柱状の粘土に刺入した針状Mgフェライトの上昇温度は16℃であり、正三角形(1辺:6mm)の頂点位置に3本刺入した場合の中心位置における上昇温度は40℃に達した。また、Mgフェライト粉末を生体適合材料であるチタン管に充填すると、著しい温度上昇が得られた。これらの結果から、Mgフェライト粉末の高周波誘導加温による肝癌の焼灼は十分に可能であることが分かった。治療装置の開発については、円筒型と曲面型の高周波誘導コイルを備えた、作動周波数370kHzの臨床試験用装置を試作した。ラットやウサギによる焼灼実験の結果、Mgフェライト粉末を用いた高周波誘導焼灼治療システムの動物実験レベルでの有効性が実証された。
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