研究課題/領域番号 |
17500372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長谷 公隆 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80198704)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リハビリテーション / 片麻痺 / 歩行訓練 / 義足 / 運動療法 / 歩行解析 / 運動学習 / 代償運動 |
研究概要 |
片麻痺患者の歩行は、麻痺側下肢の機能障害を絶えず非麻痺側下肢が補うことで達成されていることに着目し、歩行訓練において麻痺側下肢を使用するように導く方法を考案した。義足歩行をシミュレーションする義足を膝関節屈曲位で非麻痺側下肢に適用し、非麻痺側の膝関節および足関節での機能的代償を抑制した状態での歩行訓練を慢性期の片麻痺患者に行った。麻痺手に対する機能訓練として実施されているconstraint-induced movement therapy等に関する知見から、義足の構造は、非麻痺側の過度な活動をできる限り少なくすることを目的に、膝関節は固定し、広い足底部とロッカーボトムを有する足部を自作した。膝屈曲位でのソケットは患者ごとに採型し、義足の長さは歩容に応じて麻痺側下肢長より約2cm短く設定した。対象者は、本訓練そのものの効果を検討するために、十分なリハビリテーションを受けた発症後6か月以上を経過している片麻痺患者とした。また、安全を確保するために、明らかな骨関節疾患を持たず、文献的に、たとえ非麻痺側下肢が切断されても、義足を用いて歩行が自立することが可能とされる基準を適用した。非麻痺側下肢に義足を装着しての歩行訓練は、片麻痺患者にとって非常に負荷のかかる訓練であるため、原則として歩行器を使用し、患者の自覚症状と膝過伸展などの指標によって徐々に歩行距離を伸ばした。歩行訓練の効果は、床反力計、表面筋電図、最大歩行速度等で評価した。その結果、立脚初期における麻痺側下肢の支持能力の改善に伴って、非麻痺側下肢による歩行のための推進力が統計学的に有意に増大した。麻痺側下肢の推進力も著明に改善する例が見られたが、反対に減少する症例もあった。結果として、最大歩行速度は著明に改善した。本法は、片麻痺患者の歩行を再構築するための、画期的かつ必要不可欠な訓練となると考えられ、考案した歩行訓練用義足ならびに手法について特許を出願した。
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