研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的としてスポーツ医学的には高地トレーニングの効果や弊害、疲労や疲労回復をスポーツ生化学レベルでその分子機構を明らかにすることであり、臨床医学的には悪性腫瘍、虚血性心疾患、脳梗塞などの生活習慣病の生化学的・分子生物学的なモデル実験を確立することである。我々はこれまで小胞体ストレス刺激したヒト血管内皮細胞に於いて小胞体(ER)ストレスの情報伝達はER膜結合protein kinase, IRE1を介するunfolded protein responseを介して行われ、アポトーシスを引き起こすことを報告した。また最近、我々は従来、細胞内鉄調節タンパク質IRP-1が実は金属センサー・タンパク質であり、酸化およびERストレスによっても活性化されることを見出した。現在、IRP-1が酸化およびERストレス以外のストレスセンサーとしての役割も担っているか興味をもって研究を進めている。以上の経緯からIRP-1の結合領域であるIron responsive elementを有する遺伝子の探索を行い、EMBLとUTRdbのデータセットから110遺伝子を見出した。次に、分子ネットワーク(KeyMolnet)にこの遺伝子群ををマッピングすることによってIRPによって制御されるタンパク質の分子ネットワークを構築した。プロテオミクスの解析では、これまで報告された糖およびエネルギー代謝系、heat shock proteinなどの動態が観察されたが、予測されうるシグナル伝達経路を解析できなかったのでDNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析を行うことにより、低発現タンパク質の解析と共に低酸素に応答するシグナル伝達系を解析した。得られたマイクロアレイデータから動的に発現するゲノム領域をグラフィカルに表示し、時系列解析から低酸素ストレスに応答するゲノム領域を明らかにした。今後、このゲノム領域の解析から低酸素ストレスに関わるシグナル伝達経路を特定し、低酸素環境の適応、疲労や疲労回復に関わるタンパク質の分子機構をスポーツ生化学レベル、分子細胞生物学レベルで明らかにしたい。
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International Proceedings, International Proceedings, 11^<th> International Congress of Parasitology, The British Society for Parasitology in Glasgow, Scotland,United Kingdom on 6th -11th August, 2006. MEDIMOND
ページ: 593-596
International Proceedings, 11^<th> International Congress of Parasitology, The British Society for Parasitology in Glasgow, Scotland, United Kingdom on 6th - 11th August, 2006. MEDIMOND
Biochimica et Biophysica Acta (In submisson for)
Biochemical and Biophysical Research Communication (In preparation for)
Biochimica et Biophysica Acta (In submisson)
Biochemical and Biophysical Research Communication (In preparation)
In preparation for Biochemical Biophysical Research Communications,