研究課題
基盤研究(C)
研究成果は以下のとおりである。1.視床室傍核は脳幹及び視床下部からの末梢情報を大脳皮質に伝える中継核で、特に行動の発現に重要な部位である。強制遊泳ストレスによる視床室傍核ニューロンの活性化に対するみどりの香りの作用をc-Fos蛋白の発現を指標にラットで調べたところ、強制遊泳後に見られるc-Fos蛋白発現細胞数の増加はみどりの香りに曝露されたラットでは有意に抑制され、c-Fos発現細胞数は対照のレベルにまで戻ることが明らかになった。2.拘束ストレス中みどりの香りに曝露されたラットと曝露されなかったラットでは視床下部外側野のセロトニンレベルに有意な差は無かった。しかし、みどりの香りに曝露されなかったラットで増加したセロトニン代謝産物5-HIAAレベルは曝露されたラットで有意に減弱した。また、拘束ストレスによる摂食抑制がみどりの香りに曝露されたラットで消失した。3.拘束ストレスにより視床下部外側野で増大するドーパミン代謝に対する樹幹の香気成分、セドロールの作用につきラットで調べた。拘束ストレス中のラットをセドロールの匂いに曝露すると視床下部外側野におけるドーパミン並びにその代謝産物(DOPAC及びHVA)レベルはセドロールに曝露されなかったラットに比べ有意に減少した。4.以上の結果は樹木の葉や幹からの香気成分が抗ストレス作用を有し、その作用発現の一部に視床下部外側野でのセロトニンやドーパミン遊離の減少が関与していることを示唆する。
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International Congress Series 1287
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Chemical Senses 30(Suppl.1)
Chemical Senses(Supple, 1) 30