研究課題/領域番号 |
17500548
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
倉橋 昌司 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (40002224)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | チューインガム法 / 全唾液分泌能力 / 咀嚼能力 / 咀嚼運動 / Chew-and-spit法 / 食行動 / 肥満 / 嚥下時食塊水分% / 食行動質問表 / 唾液分泌能力 / 食品脂肪含量 |
研究概要 |
1.チューインガム法による全唾液分泌能力と咀嚼能力の同時測定により、咀嚼能力に及ぼす唾液分泌能力の影響を検討した。その結果、唾液分泌能力と咀嚼能力の間には正の有意な相関が認められ、唾液分泌能力の高いほど、咀嚼能力が高く、唾液分泌能力が低いほど、咀嚼能力が低いことが明らかとなった。 2.Chew-and-spit法の改善法を用い、脂肪含量の異なる試験食品について、全唾液分泌速度、一口量咀嚼回数、一口量咀嚼時間、嚥下時食塊水分%を測定した。その結果、脂肪含量による全唾液分泌速度の差は認められなかった。一方、脂肪含量の低い食品に比較し、脂肪含量の高い食品の一口量咀嚼回数は有意に少なく、一口量咀嚼時間も短く、嚥下時食塊水分%も低かった。 3.試験食摂取時の全唾液分泌速度、嚥下時食塊水分%、咀嚼運動(一口量咀嚼回数、一口量咀嚼時間、咀嚼頻度)をそれぞれchew-and-spit法およびデジタルカメラ撮影と映像解析によって測定した。また、食行動質問表を用い、日常の食行動から食生活の規則性、BMI算定よる肥満度測定を行った。その結果、試験食摂取時の全唾液分泌速度の低いものは嚥下時食塊水分%が低かった。また全唾液分泌能力とBMIの間には負の有意な相関が認められた。さらに全唾液分泌能力が低く、BMIの高い肥満者において、食行動質問表の得点が高く、食行動の「ずれ」や「くせ」が見られた。 以上の結果は、全唾液分泌能力が咀嚼運動や嚥下時の食塊の性質に影響し、さらに食行動そのものの「ずれ」や「くせ」を誘発し、ひいては肥満を発症させる原因の一つになる可能性を示唆した。 全唾液分泌能力の低い場合、日常食生活において、嚥下に必要な唾液が少なく、水分含量や脂肪含量の高い、いわゆる食べやすい食品を選択するようになり、このような食行動の「ずれ」や「くせ」が肥満発症の原因になることが推定された。
|