研究概要 |
1.C57BL/6Jマウス(ワイルド型;+/+マウス)の食餌応答性:ob/+マウスのバックグランドデータを把握する目的で+/+型マウスの食事応答性を検討した。その結果,ワイルド型(+/+)マウスにおいて、高脂肪食負荷は内臓脂肪蓄積を増加させるが、脂肪細胞の機能への影響は弱いと考えられた。 2.レプチンノックアウトマウスのヘテロ型(ob/+)とワイルド型(+/+)マウスの食餌応答性の比較:ob/+および+/+雄マウスを評価した結果、いずれのマウスも感度良く飼料の影響が評価できた。本マウスでは遺伝子の因子よりも高脂肪食の影響が強いことが示された。 3.ヘテロ型(ob/+)とワイルド型(+/+)マウスを用いた食品素材の評価:大豆リン脂質、卵黄リン脂質を評価した結果,両リン脂質は脂肪細胞の肥大化を抑制した。 4.レプチン受容体ノックアウトマウスのヘテロ型(db/+)とワイルド型(+/+)マウスの食餌応答の比較:C57BL/6Jのバックグランドを持つdb/+マウスを作成し、食餌応答性を比較した。その結果、db/+マウスの方がヘテロ型とワイルド型との差が大きく、高脂肪食においてその差が大きかった。 5.新規な肥満モデルマウスとしてのSTR/Ortマウスの評価:自然発症変形性膝関節症モデルであるSTR/Ortマウスを評価した結果、通常食においても太りやすく、高脂肪食に対する感度も良かった。 6.C57BL/6JマウスとKK/Taマウスを用いた機能性食品素材の評価:C57BL/6JマウスとKK/Taマウスを用いて,機能性食品素材の評価を行った。C57BL/6JマウスとKK/Taマウスが効果の感度がそれぞれ違うため,目的に応じて系統の違うマウスを選定するべきであると考えられた。
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