癌と診療科についてのアンケート 日本人で急増している乳癌についての調査を高校生(1年)と大学生(医学部3年生)で実施した。乳癌に関心があるのは高校生女子で27%だったが大学生女子では80%だった。高校男子は95%が関心ないと答えた。乳癌手術を、どの診療科が行うか尋ねたところ、外科と正しく答えたのは大学生女子で66%で、他はみな50%以下だった。婦人科と答えたのが、いずれの学年でも20%近くあり、内科も数パーセントあった。日本人の青少年に癌(乳癌)への関心が低いことがわかった。 また、整形外科と形成外科の違いについて理解していると思われる回答は高校生男子15%、女子27%、大学生男子42%、女子19%だった。整形と形成を反対に理解している回答は高校男子6%、女子19%、大学男子3%、女子14%で女子が誤解している割合が高かった。 外国の高校生物教科書比較まとめ 生物学ほど教える内容が国によって異なる科目はない。外国では高校の生物学とは病気や妊娠を含めた人間中心の生物学で、実生活に役立つ内容になっている。アメリカの教科書はエイズ、結核、癌などの重要な疾患は2回以上現れている。フランスの生物教科書は中学の段階でもヒトを中心にした高度な内容で、遺伝と神経系が重視されているが、糖尿病にも高校2年レベルで多くのページが割かれている。 日本では生物学の教科書は主にヒト以外の生物が中心で生理や解剖の項目にヒトがでてくる程度でヒトの病気はほとんどでてこない。保健体育の教科書でも病気の量は少ない(エイズが最大で2ページ分、生活習慣病は表が一つだけ)。この内容では病気の発症の生物学的メカニズムから勉強する外国に比べると、疾患に対する生徒の理解がどれだけ深まりかつ興味が持てるかは疑問である。癌を含めた疾患に対する理解と知識を若い時代に深めるためにもインターネットを使ったバーチャル病気博物館の作成が必要と考えられる。
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