研究概要 |
1.「理系分野への進学を目指した高校生」をかなり高度な数学を扱える集団「A集団」と数学学習に困難を抱えている集団「B集団」の2つの集団を考慮に入れた。その高大連携の数学のカリキュラム及び教科書の開発の目的達成のために、方向性の指針や調整を2年7回の全体会を通して行った。また、代数部会・幾何部会・解析部会の3つの部会に分けて、教科書作成の作業に取り掛かった。教育課程は主に山田(愛知教育大学)が取り組んだ。研究実践をするメンバーの母体が京都と奈良であるため、代数・解析部会を京都、幾何部会を奈良とした。 (1)全体会の内容2005.5.29研究目的・体制・進行等の確認、9.23各部会報告・討議・方向性確認・カリキュラムモデルの提示、2006.1.9各部会報告・調整・今後の方針、5.21前年度からの研究目的・体制・進行等の再確認、9.24各部会報告・討議・方向性確認・カリキュラムモデルの提示、12.10各部会報告・調整・今後の方針2007.1.14研究報告書資料の打合せ 各部会の内容の概略(1)代数部会2005.7から16回開催した。第1章整数、第2章実数、第3章等式・不等式、第4章論理と集合、第5章写像を作成した。解析部会と連合となり,解析分野への移行も意識した構成も視野に入れた。コラムとして、RSA信号を取り入れた。(2)幾何部会2006.6から11回開催した。高校での幾何学習の観点から高大連携の教科書を作るに際し、少なくとも、展開の概要を示すこととした。その際、課題展開的教科書を構想した。作成教科書は、三角比・三角関数、ベクトルの分野を扱った。コラムとして、常らせんと常らせん面を取り上げた。(3)解析部会2005.9から14回開催した。第3回までの会合では,長谷川テキスト,昭和40年代前半の教科書,次の時代の教科書,現行教科書および参考書,さらに現行の工業高等専門学校の教科書,ドイツの教科書を比較検討し,本研究の教科書作成方針を話し合った。この際,そして後の議論においても,参加者が日頃の授業で対応を工夫している,生徒が躓きやすい所や誤って理解されやすい所の指摘があり,これらを踏まえて進めた。(4)カリキュラム部門目的・内容・方法等のカリキュラム構成原理を明示し、制約から開発を実行し、評価・改善等を行う方法とした。そして、ボトムアップ戦略に基づくカリキュラム開発をした。 2.教科書のデータは、PDFファイルとして保存 3.2005.9と2006.3教育実験を京都教育大学附属高校SSHにて実施。教科書への資料とした。また、その実践を2006.9数学教育学会にて発表した。
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