研究課題/領域番号 |
17500600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
玉井 ふみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (10280207)
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研究分担者 |
山崎 和子 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (30280209)
堀江 真由美 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (90310862)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,350千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ダウン症候群 / 認知発達 / 言語発達 / 聴覚的短期記憶 / 言語指導 / 補助代替手段 / 会話 |
研究概要 |
ダウン症児の言語発達の特徴として、理解に比べて表出面の遅れが著しいこと、語彙や語用に比べ構文や構音に問題が顕著であることが指摘されている。また、言語発達障害の関連要因として、知的障害の程度や聴覚障害などの合併の有無、構音運動の未熟さなどに加え、音韻意識の発達や聴覚的短期記憶あるいは作動記憶における音韻ループの障害との関連性が注目されている。本研究は、ダウン症児の言語発達の遅れの背景にあると考えられる認知能の発達特性に応じた言語指導の方法について検討することを目的とした。 1.2~3語文の発話が可能なダウン症児1例を対象として、モーラ分解を用いた構音訓練を行い、構音障害と音韻意識の発達、聴覚的記銘力との関連性について考察した。歌唱、太鼓のリズム、絵、文字、タッピングなど複数の感覚刺激を用いてモーラ分解を促進する指導を行った訓練語において構音の改善が認められた。 2.単語の語尾のみの発話がみられたダウン症児1例を対象として、聴覚的記銘力の発達を考慮した言語・コミュニケーション指導を行い、表出語彙の増加、他者への注目、やりとりの成立などがみられた。聴覚的記銘力課題の理解や注意の持続などに視覚的刺激を補助的に用いることが有効であった。 3.2~3語文の発話が可能なダウン症児2例を対象として、自由会話場面、積木遊び場面、絵本場面の3場面を設定し、場面による会話の変化を分析した。会話の開始、会話の維持、語用機能について場面による違いが認められた。 構音、音声言語表出、非言語性コミュニケーションを含むやりとり、会話といった言語発達の各側面に関する評価および介入において、ダウン症児の聴覚的短期記憶の弱さを視覚を中心とする多感覚刺激の入力によって補うことが有効と考えられた。
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