研究課題/領域番号 |
17500606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
一幡 良利 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70090115)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,650千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 全盲学生 / 微生物学教育 / 点図 / 触図 / 消毒薬 / 感染症学 / 常在微生物 / 点字ジャーナル / 莢膜血清型 / 酵素標識免疫定量法 / 手指消毒 / ELISA / 常在細菌叢 / 蝕図 |
研究概要 |
全盲学生にとって微生物を理解させることは非常に困難なことが多く、その教育は進んでいなかった。しかし、触図の普及や点図グラフィックスを教材とすることにより、微生物の存在、形状までは理解することが判明した。次いで、交差伝達性での施術者から被施術者への伝達の容易な、黄色ブドウ球菌やコアグラーゼ陰性ブドウ球菌では分離培養を行い、菌種を同定した。分離された菌種は酵素標識免疫定量法によって血清型別を行い、その型特異性まで知ることが出来た。また院内感染で重要視されるメチシリンに対する薬剤感受性試験でも耐性株の存在と、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は容易に交差伝達することも理解した。これら手指から一般的に分離されるブドウ球菌を形態的、血清型別、薬剤感受性、遺伝子レベルまで、同一菌株で知ることは、微生物学を体系的に理解出来るようになった。 また、手指消毒の必要性を実際の、手洗い前後での常在微生物の数の変動から消毒効果の判定ができるようになった。実践的体験により、手洗いの方法と重要性を全盲学生が理解したことは、将来医療従事者としての心構えを持つ上においても有意義であった。更にこれらの体験学習に基づいた上で微生物によって起こる様々な感染症を最新の情報により提供し理解させた。即ち、点字メディアである点字ジャーナル誌に現在起きているタイムリーな感染症の情報を報告し、それらを学生講義用の資料にもした。本誌は医療従事している全盲の職業人の読者が多く、全盲学生だけでなく医療関係者にも最新の微生物感染症学の教育と情報提供が実践できた。 今後は全国の視覚特別支援学校への実践指導も行い、将来医療従事者になる全盲学生の微生物学教育を徹底指導したい。
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