研究課題/領域番号 |
17500611
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
|
研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
西澤 一 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (40249800)
|
研究分担者 |
吉岡 貴芳 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 准教授 (30270268)
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10155525)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,740千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | 基礎数学 / 理解度深化 / 数式表現 / 図形表現 / 文章表現 |
研究概要 |
文字式処理を伴う基礎数学の修得においては、学習者が式計算の過程に注目し、自らの計算課程と計算ミスを自覚しながら学ぶことが有益であり、演習ページと計算法解説ページ、誤解解消ページを有する分数式計算演習システムの利用が有益である。ところが、線形代数の学習においては、この手法が教育効果を上げることができなかった。その理由は、この分野の学習で特に顕著となる、学習の表面化に帰される。特に低進度学生は、公式の暗記と適用のみを記憶して試験に合格することに専念しており、三表現(数式と図形、記述文)の相互関係を説明できないだけでなく、相互関係を学ぼうともしていないようなのである。 そこで、本研究では、分数式計算演習システムの、特に長期的な教育効果を確認後に、これとは全く異なる線形代数学習の状況を分析し、これを克服するために実施した応用例からの導入教育、3次元グラフィックスの活用、三表現の関連付けについて研究した。 式計算課程に注目した学習を促進する分数式計算演習システムを用いた補習経験は、数年後の学習においても、答案記述力が向上する長期的教育効果を期待できる。しかしながら、線形代数(特に空間ベクトル)の学習では、計算課程に注目した学習活動の効果は低いことが分った。線形代数の学習では、勢力を増しつつある学習の表面化を避け、理解の深化を図ることが不可欠である。そのために、本研究では、具体的応用例からの導入、3次元グラフィックスの積極活用、三表現(数式、図形、文章表現)の相互関係の説明活動の導入を提案した。 今後は、多くの学生が持つ現実感の欠如を補い、「応用例の数学モデル化」を進めるために、木工材料を用いた実態模型の製作、3次元グラフィックス作画ソフトの活用、3次元グラフィックスのインタラクティブ性向上等により、三表現の相互関係を学習者が説明できる学習活動の実現を目指したい。
|