研究概要 |
教科「情報」は,初等中等教育における情報教育の完成の段階であり,中でも,「情報モラル教育」は,情報社会が及ぼしている影響を理解し,情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え,望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度を育成する教育である。 本研究は,筆者が過去の研究で開発した手法や知見を基盤にして,授業方略を授業モデルに発展させ,ネットワーク環境を利用したインタラクティブ型のディジタル教材を開発することにある。 本研究の特色は,筆者が既に提案している理論や手法を基礎にする点にあり,これが,情報モラルの育成をめざす教育方法(基礎的授業モデル)を可能にしている。また,「情報モラル教育」の支援として,ネットワークを最大限に利用したインタラクティブ型のディジタル教材の開発もその特色といえる。 本研究の成果は,(1)情報社会・情報モラル等の内容抽出に関するもの,(2)「情報のモラルと安全」をテーマとする教育の新しい枠組みに関するもの,(3)ネットワークを利用したインタラクティブ型のディジタル教材に関するもの,に大別される。 (1)については,教科「情報」の各社教科書に見られる学習内容の抽出と分析をおこなうとともに,教員対象のアンケートとその分析も行っている。 (2)については,情報教育の新しい枠組みとして,「情報教育のコア・フレームワーク」を提案するとともに,ディジタル(環境)リテラシーの提案,情報安全教育の新しい枠組みの提案などがある。 (3)については,シナリオ型教材の提案,事例集データベース型教材の提案,情報逐次提供型教材の提案,に関するものであり,「情報のモラルと安全」のための授業を支援する教材の提案である。
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