研究概要 |
1.本研究の目的は、21世紀を担う人材育成において、独創性・創造性をはぐくむ、「見て、聞いて、触れる」コンピュータで操作できるシステム教材を作成・教育効果検証することである。そのため次の三点に注意しながら開発を行った.(1)USBを通じてコンビoユータ外部へ制御部を取り出す(2)ハードウェア制御部構成をシンプルにする(3)パソコン側ユーザインタフェイスを階層化し、初心者から上級者まで利用可能にする 作成した教材を高等学校・中学校などで実践し、検証をすることであった。 2.実施結果 (1)ハードウエア関係では、コンピュータと制御部のインターフェイスとして、USB-10(テクノキット製)を採用した。 ビット操作で作動可能なハードウエアとして、出力装置にLED、メロディIC、モータ、入力装置としてスイッチ、光センサー、タッチセンサーを製作した。さらに3車輪で平面上に安定に位置し,前部車輪が自由に回転,後部にそれぞれ独立で動作する2つの車輪を配置したライントレーサ車両を作成した.床面の明暗状況を2ビット情報として提供できる光センサーを車両前面に配置した.コンピュータからの4ビット情報により,平面上を任意の位置に移動可能なライントレーサを作成した。また,ハードウェアをモータの制御,車輪の動作,車両の振舞いと階層に分けて,学習者にハードウェアの追加知識をできるだけ少なくてすむように工夫をした. (2)ソフトウエア開発では、ExcelのVisual Basic for Applications(以下VBAと略す)を使ったハードウエア制御用プログラムを作成した。VBAの持っモジュール機能を利用して、擬似的に階層化を行った。最上位層としてユーザがプログラミングを行う「ユーザプログラミング領域」、ユーザが利用可能な関数やプロシージャを定義した「各種定義」、「基本設定」、「USB初期化」を作成した。特に「基本設定」ではUSBをコントロールするDynamic Link Libraryが現状では複数存在することから、それらの違いをこのモジュールで吸収して、「ユーザプログラミング領域」では同じ関数名で利用できるようにした。 (3)上記ハードウエアとソフトウエアの組み合わせによるライントレーサ実習教材ドキュメントを作成した。 (4)実践活動では、岩手大学において付属中学校と盛岡市内上田中学校にて7セグメント教材とライントレーサの実践を行った。岐阜県の岐阜聖徳学園大学付属校高等学校および清翔校高等学校にてライントレーサの実践を行った。実践前後でプログラミングへの態度アンケ三トを実施し、その結果、プログラム作成能力および好悪感因子がいずれも肯定的に変化した。
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