研究課題
基盤研究(C)
本研究は、降雨強度の大きい条件下で丘陵性山地斜面において発生する表層斜面崩壊現象について、実際に発生した表層崩壊での地形・表層地質・植生諸条件に関わるパラメータをもとに、1)非崩壊斜面にて表層崩壊の発生する危険度の高い領域を抽出する方途を明らかにし、2)潜在的な表層崩壊発生危険領域の地図化を通して、当該領域の斜面単位との対応関係を再検討することを目的とするものである。対象地域として、主に東北日本において表層崩壊の頻度が比較的高い花崗岩類地域、および丘陵性山地を構成する地質として一般的な新第三紀堆積岩地域を選定した。花崗岩類地域として阿武隈山地西部地域において、非崩壊斜面での褐色〜灰色マサ土の層厚分布と崩壊発生に関連する各種微地形の分布とから、当該斜面における危険領域抽出地図を試作した。その結果、従来相対的に安定領域とされていた上部谷壁斜面最上部に危険領域が存在することが少なくないことが明らかになった。本地域の斜面地形発達過程等、斜面単位区分も含めて再検討する必要がある。一方、新第三紀堆積岩分布域として宮城県富谷丘陵付近を調査対象とした。同地域は砂岩・軽石凝灰岩等からなる上部中新統が分布し、主として下部谷壁斜面にて表層崩壊が発生しているが、花崗岩類地域と比してすべり面形状が多様なため、非崩壊斜面における危険領域抽出基準を提示する点は、今後の課題にせざるを得なかった。またこれに関連して、堆積岩とほぼ同様に不均質な風化残積土を生み出す新第三紀火山岩地域の、地形条件および斜面崩壊発生条件の類似するケニア・アバデア地域を主とする現地調査・斜面水文観測結果を取りまとめ、新第三紀火山岩地域における表層崩壊発生過程と発生初期における特有の微地形形成、崩壊土層内の水分条件変化等について考察した。
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