• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

南極氷床コアが示す急激な気候変動における広域拡散エアロゾルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 17510002
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 環境動態解析
研究機関山形大学

研究代表者

鈴木 利孝  山形大学, 理学部, 助教授 (90202134)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード環境変動 / 物質循環 / 環境計測 / 地球温暖化(5)(6)(7)(8 / 極域環境監視 / エアロゾル / 氷コア / 南極 / 地球温暖化
研究概要

過去32万年の気候変動記録を保持している南極ドームふじ氷床コアを用い、急激な気候変動を示す氷期終末期における海陸起源エアロゾルの濃度および組成の変動を明らかにすることを目的とした。終末期に該当する深度を中心に、500〜1000年間隔で、氷中Al、Na、Mg、Fe、Mn、Caの全濃度を測定し、本年度終了までに200試料の測定を終えた。地殻物質の指標であるAlのドームふじコア中全濃度(t-Al)は温暖期に比べて寒冷期に比較的高濃度を示し、従来報告されているボストークコアやDome Cコアにおける時間変動と一致した。濃度範囲は3.94-276ppbとなり、最大値はボストークコアやDome Cコアで測定された濃度よりも2〜3倍大きかった。上記3地点とも、その近傍にAlの大きな供給源は存在せず、供給されるAlの大部分が長距離空輸物質であると予想されるため、この濃度差は地域変動とは考えにくい。ボストークコアやDome Cコアで得られている濃度は、ろ過法による粒子態濃度であることから、本研究で得られた結果は、南極氷床コア中Alは、ろ紙の孔を抜けてしまう微粒子画分が有意に存在していることを示している。また、溶存態の存在や、ろ過法による粒子損失の可能性も否定はできない。t-Fe、t-Mn、t-Caとt-Alの寄与率はそれぞれ94%、94%、88%と高い相関性を示し、回帰直線の傾きはそれぞれ0.61、0.014、0.42と平均地殻組成比にほぼ一致した。ドームふじコア中に含まれるこれらの成分は、地殻表面から放出された鉱物エアロゾルとして氷床に供給されたものが大部分であり、その組成は氷期サイクルを通して、大きくは変動しなかったことを示している。t-Ca/t-Al比のばらつきが比較的大きいのは、気候変動に伴いエアロゾル供給源や地殻乾燥度が変化したためかもしれない。また、200試料中3試料においてAlに対するFe、Mnの異常濃縮が見られた。コア中粒子の顕微鏡観察を行った結果、まれに金属質の宇宙塵が観察される試料があり、突発的に起こるFe、Mnの異常濃縮は氷床への宇宙塵の混入に起因するものかもしれない。化学組成変動の詳細な解析は今後の研究課題である。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ドームふじ基地深層掘削観測2005

    • 著者名/発表者名
      本山秀明, 古川晶雄, 鈴木利孝, 吉本隆安, 宮原盛厚, 田中洋一
    • 雑誌名

      日本南極地域観測隊第45次隊報告

      ページ: 55-60

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

URL: 

公開日: 2005-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi