研究課題
基盤研究(C)
大気エアロゾル、とくに対流圏のエアロゾルは、放射の散乱と雲の凝結核としての作用を通じて気候に大きな影響を与えるが、エアロゾルの実大気における振る舞いについては、実験的に未解明の部分がなお多い。全天の観測を行うAll-sky Survey High-Resolution Air-shower(Ashra)計画では、宇宙から降り注ぐ極めてエネルギーの高い宇宙線について、その起源と伝搬についての実験的研究が行われており、新しい設計に基づく広角高精度望遠鏡群がハワイ島に展開されている。本研究は、この新機軸のAshra望遠鏡をライダー技術と結合し、比較的低層の大気についてエアロゾルと雲の二次元分布の実時間観測を目的として実施された。従来のライダー観測ではレーザー装置と観測システムがほぼ同一の場所に位置する配置が用いられてきたが、高感度のAshra望遠鏡を用いることによって両者を一定距離離して設置するバイスタティック配置を用いることが可能になる。この配置では、従来法で視野の重なり制限のために困難であった地上付近の大気について詳細な情報が得られる点に特徴がある。望遠鏡の視野方向を固定しレーザー光をその視野内で掃引することによって、従来の後方散乱光のみならず、前方散乱に近い高い強度の散乱高を観測できる。本プロジェクトを通じ、イメージングライダーシステムの実証試験と最適化を行い、イメージインテンシファイアの増幅率や背景光の影響など、主要パラメータの計測・確認を行うとともに、バイスタティック観測の理論を構築した。Ashra望遠鏡とUVレーザーを用いたイメージングライダーのバイスタティック観測実験を通じて、本システムにより大気の動的な振る舞いを計測できることを実証した。今後の詳細な解析を通じ、イメージングライダーのデータから雲とエアロゾルの相互作用の研究をよりー層進展させる。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件)
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