研究課題/領域番号 |
17510050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 大谷女子大学 (2006-2007) 神戸学院大学 (2005) |
研究代表者 |
閔 庚善 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (60140406)
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研究分担者 |
田中 慶一 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (90068247)
上田 英典 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (50419462)
鉄地川原 典子 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (20299069)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,350千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カドミウム / 微量金属 / 金属トランスポーター / リスクファクター / 栄養状態 / メタロチオネイン / 消化管吸収 / 生体微量金属 / 体内蓄積 / ミネラル欠乏 / 生体微量金属栄養 |
研究概要 |
カドミウムの主たる暴露経路が経口であることから、食物のカドミウム汚染濃度が生体内蓄積量の大きな要因になっている。しかし、近年、鉄欠乏時には摂取した食品汚染物質であるCdの体内蓄積量並びに小腸二価金属トランスポーター(DMT1)の発現が増加していたことから、生体金属代謝が非生体金属であるCdの消化管吸収に関与することが考えられる。国民健康栄養調査の結果や栄養機能食品の普及などから、Ca,Zn,Fe,Mg.Cuの栄養状態が大きく変動する可能性があることから、本研究では、これらの微量金属栄養状態が経口摂取されたCdの代謝に及ぼす影響を検討した。5種類の金属濃度を1-20%に低下させた各金属欠乏食を調製し、4週間自由摂取させると、肝臓金属濃度はほとんどの金属欠乏食マウスで認められた。一方、コントロール餌に加え、これらの1日金属摂取量の半分に相当する量を経口投与した金属過剰摂取マウスでは、臓器金属濃度の顕著な増加は認められなかった。さらに、小腸DMT1mRNA量はFe欠乏食で増加し、Fe過剰摂取群だけでなく、それ以外の欠乏食でも顕著に低下した。Ca欠乏食摂取群では、最近見出された小腸カルシウムトランスポーター1(CaT1)やメタロチオネインの発現量が顕著に増加した。これら金属欠乏食マウスにCdを経口摂取させると、どの金属欠乏マウスでもCdの体内蓄積量が増加し、特にFe欠乏食では肝臓に、Ca欠乏食では腎臓に多く蓄積することを見出し、それにはDMT1やCaT1が関与することを明らかにした。さらに、Cdを微量長期間経口投与した場合でも、同様にCdの体内蓄積量の増加が認められた。したがって、ヒトが食品から暫定基準値以下のCd量を摂取しても、微量金属欠乏状態であれば、Cdの体内蓄積量が顕著に増加し、微量金属の栄養状態がCd毒性発現における生体側のリスクファクターであることを明らかにした。
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