研究概要 |
5,300NH_4-Nmg/Lの高濃度のアンモニウムイオンを含むモデル排水中でアンモニア耐性硝化菌体を固定化培養した.1Lの気泡塔リアクター内に5wt%の菌体を固定化した担体を充填し,124〜212日間培養した.活性汚泥(AS菌体)および消臭微生物製剤(EM菌体)を球状ヒドロゲル樹脂(KU)または活性炭を含んだペレット状ポリプロピレン(BCP[C])上にそれぞれ物理吸着して固定化した.次に,先の2つの菌体を包括固定化した.この固定化用担体はポリビニルアルコール(PVA)をホウ酸イオンで架橋したゲルと,これに活性炭(C),活性アルミナ(Al),またはフライアッシュ(F)をそれぞれ混合したゲル(PVA[C],PVA[Al],PVA[F])であった.包括菌体の方が吸着菌体よりも馴化培養に要する日数が短かった.包括菌体の中では,無機フィラーを混合した担体に固定化した菌体の馴化期間が更に短くなり,EM/PVA[F](菌体/担体)では124日で培養を終了した. 菌体と担体の組合せを増やすため,馴化培養後の硝化菌体は,球状高分子化含水ゲル(AL,AL[C],AL[F]),キューブ状高分子化含水ゲル(ALCu,ALCu[C]),あるいはシリンジ状ポリプロピレン(ALT,ALT[C])の種々の担体に物理吸着固定化された. 硝化菌体とストリッピングを併用し,モデル排水からの窒素除去を試みた.PVAヒドロゲル中にEM菌体を包括した固定化菌体は,NO_3 ̄を生成した.一方,AS菌体を包括固定化した場合と,AS菌体あるいはEM菌体を物理吸着した固定化菌体はNO_2 ̄を効率良く生成した.高濃度アンモニア領域において,NO_3 ̄を生成するタイプのEM/PVA[C]とNO_2 ̄を生成するタイプのAS/ALT[C]の固定化菌体は硝化とストリッピングにより,30日間で57%のアンモニウムイオンを除去した.NO_2 ̄あるいはNO_3 ̄を生成するタイプのAS/ALT[C]とEM/PVA[AI]の2種の固定化菌体を用い,完全硝化を検討した.それぞれ35日後と50日後に高濃度NH_4^+をほぼ硝化した.
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