研究課題/領域番号 |
17510094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 日本女子大学 (2006) 東北大学 (2005) |
研究代表者 |
林 久史 日本女子大学, 理学部, 助教授 (60250833)
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研究分担者 |
バラチャンドラン ジャヤデワン 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (80261593)
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (10311549)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | スピン選別XAFS / 共鳴X線非弾性散乱 / 高感度・X線分光器 / 蛍光X線サテライト / 磁性ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究は、磁性をもったナノサイズの粒子(磁性ナノ粒子)の磁気・電子構造の評価法として、「スピン選別XAFS分光」を確立することを目指したものである。目的達成には、強度の弱い遷移金属のKβスペクトルを、高感度かつ高分解能で測定できるX線発光分光器の開発がかかせない。 1年目は、スピン選別XAFSやそれと関連の深い「共鳴X線非弾性散乱」を、標準物質について試験的に測定しながら、現有の分光器をナノ粒子のKβ発光測定用に改造した。標準物質の試験測定では、非弾性散乱を利用した高分解能化の限界を極めることに成功し、またLaMnO_3(単結晶)について「常磁性相中にも局所的な磁気秩序が存在する」という今後の磁性研究に大きなインパクトを与える結論を引き出すなど、予想を上回る成果が得られた。その一方で、放射光による放射線損傷がナノ粒子では顕著であり、現有分光器では「スピン選別XAFS」を精度良く測り得ないことが判明した。 これをうけて2年目は、放射線が影響しない時間内で有意なスペクトルが測定できるよう、分光器を全面的に改造した(「孔雀型」分光器と命名)。これを用いて、ZnO上に分散したCuOナノ粒子の寿命幅フリー・高分解能XAFSを測定した結果、Cu濃度にして1%という低濃度試料についても寿命幅フリーXAFSを測定できた。さらに、基本的な超伝導体であるLa_<2-x>Sr_xCuO_4について類似の測定を行ったところ、プリエッジと呼ばれる部分が配位状態に敏感であることを見いだした。 分光器の感度について十分な感触が得られたので、酸化鉄や鉄フェライトのスピン選別XAFSを、「孔雀型」分光器で測定しなおした。その結果、試料損傷の影響がほとんどないデータを得ることに成功した。現在、スペクトルの理論的解析を行いながら、論文にまとめている最中である。
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