研究概要 |
DEAにおけるハイブリッド指標とその応用に関して研究しその結果を論文An efficiency measure of goods and bads in DEA and its application to US electric utilities(submitted to EJOR)にまとめた。まずradialおよびnon-radialな入出力が共存する場合の効率性指標としてハイブリッド指標を提案し、さらに出力にdesirable(goods)なものとundesirable(bads)なものがありそれらが分離できない場合に対応するモデルを完成した。このモデルを用いて米国の30の電力業の5年間(1996-2000)の全効率性を測定した。次に新コスト効率性モデルの応用としてRe-examining scale elasticity in DEA(Annals of Operations Research, 145:69-87, 2006)を発表した。従来のモデルではコスト単価がDMU間で同一であるという仮定が用いられていた。しかし現実のコスト単価はDMU毎に異なる。2002年のTone論文で新コストモデルが提案された.輪文ではこの新コストモデルをもとに、scaleelasticityを再検討し、新しい公式を提案し、従来モデルとの比較を行った。新コストモデルの展開としてDecomposition of cost efficiency and its application to Japanese-US electric utility comparisons(Socio-Economic Planning Sciences,41:91-106, 2007)を発表した。この論文では観測されているコスト(actual cost)を最小コストと入力の非効率に由来するコスト損失の和に分解する。さらに、入力の非効率に由来するコスト損失を技術的非効率によるコスト損失と入力単価の違いによる損失と非効率なコストミックスに由来する損失の和に分解する方式を提案する。このモデルを日本9社、米10社の1992-1999年の電力会社に適用した。Radial and non-radial decomposition of profit change : an application(Osaka DEA Symposium, 2007)においてこれまでGrifell-Tatje and Lovell(1999)によって提案されたprofit changeを6個の要素に分解する方法をnon-radialな場合に発展させた。彼らの方法はradialなモデルを用いているためにslacksが考慮されていない。またbase-period priceをウエイトとして用いていることは根拠に乏しい。この欠点を補うために、non-radial decompositionを行った。また、base-periodpriceの代わりにcurrent-period price/average of both period pricesを用いることを提案した。この新しい方式をIndian banking sectorのデータに適用して、新しい方式の有効性を検証した。
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