研究課題/領域番号 |
17510163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用ゲノム科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
任 鳳蓉 東京医科歯科大学, 情報処理センター, 客員助教授 (60280989)
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研究分担者 |
田中 博 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 教授 (60155158)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ウイルスの宿主内進化 / 多剤併用抗HIV治療 / 連続ウイルスサンプル / 逐次リンクアルゴリズム / 縦断型進化系統樹 / 相互情報量基準 / HIV遺伝子間の共進化 / 正の淘汰 / HIVの宿主内進化 / 抗HIV治療と薬剤耐性獲得 / データマイニング / 正の淘汰進化 / AIDS治療予後予測 / 時間発展的な進化系統樹 |
研究概要 |
本研究の目的は、抗HIV治療下のHIVの進化過程を明らかにすることにより、薬剤耐性獲得機構の解明やエイズ治療の予後予測に有用な情報を提供することである。2年間に亘って、日本国内のエイズ患者から採取したHIVの連続サンプルについて、バイオインフォマティクスの手法により、様々の視点から解析を行い、以下のような成果が得られた。 1.C4.5による決定木の作成について、新しいエイズ患者6症例のデータに適用した。しかし、相互情報量による決定木は、情報利得比のみを特徴抽出の基準とするため、耐性変異と類似の動きをする多型のサイトを抽出してしまう可能性があることが分かった。そこで我々は正の淘汰を受けるサイトを検出し、これらのアミノ酸変異を用いて決定木を再作成した。その結果、より多数の一次耐性変異サイトを抽出することができた。現在、この手法をすべての症例(8〜10例)に適用して解析を進めている。 2.「遺伝距離準拠型逐次リンクアルゴリズム」の改良は完成した。 3.耐性変異獲得におけるもう1つ重要なメカニズム-HIV遺伝子内及び遺伝子間の共進化についても解析を試みた。我々は新しい解析プログラムCoMapをHIVのデータに適用し、Gag-PR-RT領域において共進化サイトを探索した。その結果、PRのE35DはGagの切断領域近傍のP453Lと遺伝子間共進化するという未知の共進化ペアを見出した。 以上の研究成果は複数の国際と国内学会で発表され、Antiviral Therapyにも掲載された(要旨のみ)。また、HIVの研究と同じ手法で行われたHBVの進化解析についての論文がすでに国際誌で発表された。 現在、逐次リンク法の論文は作成中であり、19年前半までに国際誌に投稿できる。共進化解析の結果について現在感染研エイズセンターで実験を行われているが、結果が得られ次第国際誌に投稿する。 決定木による耐性変異パータンの抽出については、症例数が依然不十分であるため、国際HIVデータベースの中から適用できるデータを抽出し、この解析に使用することを考えているが、19年度中に論文をまとめる予定である。
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