配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
小笠原諸島の父島・母島・兄島・弟島および妹島の陸水域において調査を行い,得られた標本を用いて分類学的な研究を行った。その結果,固有種としてオガサワラニンギョウトビケラGoera ogasawaraensis,オガサワラヌマエビParatya boninensis,オガサワラコツブムシGnorimosphaeroma boninense,ハハジマコシビロダンゴムシSpherillo hahajimensisの4新種について記載を行い,移入種のヌノメカワニナMelanoides tuberculataを発見した。 ユスリカ類については,成虫で記載されていた小笠原諸島の固有種オガサワラフタオツヤユスリカCricotopus ogasaseptimusの幼虫と成虫との関係を確認し,本種幼虫の生息環境が限られることなどを明らかにした。また,これまで小笠原諸島から得られていなかったユスリカ科Glyptotendipes属の1種を父島・母島のダム湖から採集することができた。 固有水生生物の生息環境のモニタリングの一環として,固有種が多数生息する地域と移入種が数多く生息している地域に温度ロガーを設置し,水温を測定した。その結果,夏季の場合,固有種の生息域と移入種がより多く見られる地域を比較すると,固有種の生息域の方が水温の日格差がより少なく,調査期間を通して水温がより低いなど,環境による温度条件の違いが分かってきた。 水生昆虫や甲殻類の固有種についてのこれまでの分布調査の結果をとりまとめたところ,数種について生息地点数の減少などが認められた。なお,本研究の調査結果を受けて,オガサワラヌマエビ・オガサワラコツブムシ・オガサワラモクズガニ・オガサワラニンギョウトビケラの4種が環境省レッドリスト改訂版において新たに絶滅危惧I類およびII類に指定された。
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