研究課題/領域番号 |
17510205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
貞好 康志 神戸大学, 大学院国際文化学研究科, 准教授 (20314453)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,190千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 390千円)
2008年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | インドネシア / 華人 / ポスト・スハルト期 / 社会変容 / 社会文化変容 / 政策 / 同化主義と対抗思想 / 同化主義と対抗言説 |
研究概要 |
本研究は、1966~98年にわたるスハルト体制期、「同化主義」政策下におかれてきた同国の中国系住民(華人)の社会が、1998年以降のポスト・スハルト体制期に、どのような社会的・文化的変容を被り、また主体的に変化を模索しているのか、現地調査をもとに明らかにすることを目指したものである。成果として判明した主な事柄は次の通りである。1)スハルト体制期に様々な差別を被った華人に対して、差別をなくし、他のインドネシア国民と同等の尊厳と権利を与えよ、という感情が華人社会全体に高まった。その機運は政党や社会文化団体、メディアなどを通して組織化され、後継諸政権の華人に対する融和的な政策の策定にも影響を与えた。2)スハルト体制崩壊直後には華人を中心とした政党も幾つか出現したが、華人組織としては、政治への直接参加を目的としない、社会・文化団体の方が発展した。3)首都でも地方でも、中国語学習や中国式年中行事など、「華人文化」の象徴とみなされた事物の意識的な復興現象がみられた。4)華人文化はポスト・スハルト期の諸政権によって、「インドネシアを構成する多様な民族文化の一つ」として公認された。華人の側も、国民国家インドネシアの枠組を尊重した上で、華人系という出自と文化的アイデンティティを再確認している場合がほとんどと見受けられる。5)華人社会の様相は、首都と地方、また地方の中でも今回調査を行った中部ジャワとリアウ島嶼部とでかなり異なる。それは、華人と非華人との民族間関係においても言える。ジャワにおいては、華人と非華人の二項対立的な区分が政治・社会的に浸透し、経済活動の側面を含めかなりの程度実体化している。リアウの華人は、華人特有の文化的な要素を濃厚に保持したまま、非華人系住民と融和的な社会・経済関係を維持してきた。
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