研究課題/領域番号 |
17510212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
川島 緑 上智大学, 外国語学部, 教授 (50264700)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,730千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | フィリピン / イスラーム / マラナオ / ミンダナオ / 史料 / 東南アジア史 / 口承文学 / ウラマー / アラビア文学 / ムスリム / アラビア文字 |
研究概要 |
第一に、ダンサラン学院ガウィン記念研究センター図書館に未整理で保管されていたマラナオ語アラビア文字表記資料62タイトル、222冊すべての解題付きローマ字表記目録を作成した。このコレクションの中心は、1960〜70年代初めにかけて現地のイスラーム知識人がマレー語やアラビア語から翻訳し、謄写版印刷で刊行したイスラーム物語の冊子である。本研究により、ラナオ地方のイスラーム知識人がムスリム大衆に向け、母語を用いて活発に出版活動を展開していたことが実証できた。 第二に、収集したこれらのマラナオ語資料の一部について、その内容やそれらが作成された政治的・社会的状況を分析し、これまでほとんど知られていなかったフィリピンのイスラーム知識人の政治思想や社会変革思想の一側面を明らかにすることができた。 第三に、マラナオの民衆歌謡(ダラゲン、バヨク)や祈祷(ディクル)の映像資料を作成し、記録として保存するとともに、研究の資に供することができた。 第四に、中東イスラーム研究者の協力を得て、1960年代カイロ留学生の論文17点をアラビア語から日本語に翻訳し、解説を付して刊行した。 以上により、これまで等閑視されてきたマラナオ語イスラーム出版物、手書き文書や口承文学を収集し、これらを研究に利用するための基礎を築くとともに、これらの研究に利用し、これまで漠然としか語られていなかったフィリピンのイスラーム知識人の思想と運動を具体的に跡付けることができた。 本研究ではマラナオ語イスラーム物語等、数点のマラナオ語資料のローマ字翻字、英訳にも取り組んだが、これらは当初の予想以上に時間がかかったため、現在も継続中である。これらを完成させ、目録とともに刊行することが今後の課題である。
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