研究課題/領域番号 |
17510225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
根村 直美 日本大学, 経済学部, 准教授 (10251696)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,380千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ジェンダー / インターネット / 自己の多元性 / ポストモダン哲学 / 情報社会の倫理学 / 情報社会 / 情報倫理学 / 多元的自己 / 既存の倫理への異議申し立て力 / コミュニケーション論 |
研究概要 |
本研究では、まず、これまでのコンピュータを介したコミュニケーションについての研究を踏まえた上で、ジェンダー分析の新たな知見に注目した。その結果、「自己」の多元性に拠って立つジェンダー・スウィッチングの試みのうちに、現実のヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの実現とそれによる現実世界の再編の可能性が示されているのではないかという知見を得るにいたっている。そして、その知見がどのような理論的な基盤をもちうるかについて考察を試み、情報社会において日常的に経験されるようになった多元的な「自己」は、ラクラウとムフのラディカル・デモクラシーが提示してきた既存の「倫理」への「異議申し立て力」をもつが観念的であった「自己」像が現実のものとなりつつあることを示しているという考えを提示した。 また、本研究では、現在の日本のコンピュータを介したコミュニケーションにおいて、男女間のヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの可能性、および、現実世界の支配的配置の再構成の可能性が現れている局面を探求することを目的とし、平成18年12月-平成19年3月の期間、インターネット上のアンケート調査を実施。MMORPGのプレイヤー105名に、インターネットにおけるジェンダー・スウィチングの経験の有無、および、その経験の現実の自己や生活への影響等について尋ねた。今回の調査結果は、それが日本のインターネットにおける「自己」およびジェンダーの状況の大勢をなしているとは言えないものの、現実のジェンダー・ヒエラルキーから解放されたコミュニケーションの実現とそれによる現実世界の再編の可能性を示唆するものであった。 本研究は、コンピュータを介したコミュニケーションが、どのような意味で現実のジェンダー秩序の改編に対して積極的な意味をもちうるかを明らかにすることができた。また、その理論的基盤についても深化させることができた。
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