研究課題/領域番号 |
17520009
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
今泉 智之 三重大学, 人文学部, 准教授 (30322978)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,750千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 哲学 / 西洋古典 / プラトン / 『テアイテトス』 |
研究概要 |
本研究の目的は、『テアイテトス』において知覚、判断、思考、考察、知などの能力が、外界を認識する際それぞれどのような役割を果たすと考えられているのか、またこれらの能力は美醜善悪などの価値の把握にどのように関わっているのかを明らかにすることである。本年度は『テアイテトス』における、知覚が知であるとする定義が最終的に論駁される第一部の末尾の議論において、知覚と思考、考察などの働きがどのように関係しているのかという問題を検討した。この問題に関してはこれまでに大きく分ければ、(1)思考や考察の働きは知覚と同一視されるか、知覚に含まれる、(2)知覚は思考や考察の際に用いられるかもしれないが、思考は知覚とは異なる、という二通りの解釈がなされている。先行研究のうちCooper、Modrakらは解釈(1)を、Burnyeat、Kanayamaらは(2)を採用している。本年度は、このうちどちらの解釈が正しいのかを見極めるために、音や色が塩辛いものであるか否かを考察するのはいかなる能力なのかについての問答(185b9-e2)を詳しく検討した。その結果、テキスト理解としては解釈(2)を採るべきであるが、しかし解釈(2)を採るためにはKanayamaの提案しているテキストの修正は必ずしも必要ではないことを示した。この研究は前年度から継続して行ってきたものであるが、本年度は細部を仕上げたうえで、その成果を論文「『テアイテトス』(184-186)における知覚と思考」として発表することができた。
|