研究課題/領域番号 |
17520038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小林 武 京都産業大学, 文化学部, 教授 (20107121)
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研究分担者 |
佐藤 豊 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00262931)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,350千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 梁啓超 / 章炳麟 / 功利主義思想 / 自由 / 明治思想 / 儒教 / 井上哲次郎 / 高山樗牛 / 功利主義 / 公徳 / 私徳 / 自主 / 加藤弘之 / 福沢諭吉 / 反功利主義思想 / 明治30年代思潮 |
研究概要 |
小林:1.中国では、liberty観念は封建的なものに対する批判の方向で理解され、また「自由」よりは「自主」という訳語のほうが好まれる傾向にあった。またutility「功利」観念も日本に比べて定着が遅かった。これは、儒教の「自由」や「功利」を批判してきた伝統と関係がある。章の「自主」観念は、清末のliberty理解の中ではユニークである。2.章炳麟は強制されずに他者を思いやる共同感情を貴び、士人の利禄追求を功利主義として一貫して批判してきた。3.明治期に形成された功利主義は拝金主義というイメージ、高山樗牛の論文、中江兆民訳ショーペンハウアー著『道徳大原論』の三つは、章に与えた明治期の影響と言える。4.章柄麟と梁啓超との間には、問題意識の類似や共振関係があることが分かり、従来のように、政治的立場からだけで彼らを理解するのは不十分である。佐藤:1.1902年梁啓超の「論公徳」執筆時、明治日本では「公徳」が盛んに喧伝され、ある種の流行語であった。梁啓超は明治日本の影響を受けていたことを確認した。2.とりわけ、井上哲次郎の「公徳」に対する定義と極めて近い定義を、梁啓超が下していることを確認した。3.井上からの思想的影響は、井上独特の「大我-小我」論を梁啓超も展開していることからも証明できる。4.日本の「公徳」に関する議論には福沢諭吉による功利主義的な解釈も存したが、梁啓超は井上哲次郎に代表される儒教的国家主義を模索して、功利主義を廃棄したことを確認した。5.日本での「公徳」に関わる議論を参照することで、梁啓超が無視した思想的課題を見つけることができた。6.西洋功利主義を受容することによって、戴震を再評価する機運が中国近代に生まれたことが分かった。
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