研究概要 |
従来, クマーリラは文の意味認知過程を, 単語の意味を積み重ねて文の意味理解に至るという, ボトムアップ型モデルで考えるとされてきたが, 本研究は, クマーリラが「文脈による文の意味決定」というトップダウン型の認知契機を積極的に認めていることを明らかにした。またクマーリラが, 聖典解釈学派の伝統に従いヴェーダの非人為性を擁護しつつも, 読者はヴェーダ文から或る種の「意図」を読み取ると認め, 更に, その意図の担い手とはヴェーダを身体とする最高我であるという独自のヴェーダーンタ思想を説くことを発見した。
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