研究課題/領域番号 |
17520060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,640千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 芸能的宗教者 / 陰陽道 / 修験道 / 本所編成論 / 身分的周縁 / 許状 / 修験 / 吉田家 / 神子 / 朝廷権威 / 御師 / 暦師 / 陰陽師 / 朝幕関係 / 国家神道 / 顕密仏教 |
研究概要 |
第一に、史料調査を行った。愛知県では、津島神社、羽豆神社、愛行院にある史料を閲覧し、一部を撮影した。所沢市教育委員会所蔵の石山家文書を閲覧し、複写することもできた。それらの史料を用いて、津島神社の御師の活動、羽豆神社の神職が吉田家の裁許状を受けるまでの過程、尾張藩と修験頭の清寿院との関係、関東で活動した神事舞太夫、梓神子の組織の形成過程、及び彼ら・彼女らと他の系列の宗教者との葛藤・抗争・対立を扱い、研究報告書に収録した論文で論点を明らかにした。また近世の陰陽師の編成については、研究代表者の『近世陰陽道の研究』(平成17年)のなかで詳細に究明し、土御門家の許状授与システムについて一定の見通しを持つにいたった。本山・本所の発給するものは多様性に富み、一律の比較を許さないところがある。とりあえず許状には、(1)営業権の保証、(2)呼名・官名・装束の許可、(3)知識・技術の伝授の3つの機能があるが、陰陽師、神事舞太夫、夷願人では、(1)があって、(2)へと志向する。神職、修験は、(1)、(2)を持っており、条件によって(3)もあることもないこともある。梓神子では、(3)が極めて重要なものになる。僧侶は、(1)、(2)、(3)をすべて揃えている。本山・本所の権威・規模によって、配下のもつ権限が異なることが事例ごとに確認された。 第二に、第一線で活躍している研究者を招き、研究会を開催できた。芸能的宗教者の組織化と活動の内容について、多様な議論を行った。本所編成論、身分的周縁論という視角からの議論の有効性と限界が徐々に明らかにされた。とくに神子の活動について、夫の所属する本山・本所に編成される場合もあれば、そうではない場合もあって、芸能的宗教者の家族形態が課題として浮上した。
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