研究課題/領域番号 |
17520066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 弘夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30125570)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,680千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 起請文 / コスモロジー / 神仏 / 神判 / 罰 / 鎌倉仏教 |
研究概要 |
本研究では、第一に日本の中世に焦点を絞り、中世文書を代表するとされる起請文とよばれる古文書群を素材として、その分析の中から当該時代に人々によって共有されていたコスモロジーを抽出し、古代や近代と異なる中世的世界観の独自の相貌を解明した。第二に、それを背景に置くことによって、従来の中世思想史研究の大部分を占めていた、いわゆる鎌倉新仏教・旧仏教、神道思想、本覚思想といった体系的思想に、新たな角度から意義と意味を見出した。さらに第三点目として、本研究を日本中世という特定領域の研究にとどめることなく、体系化されないテキストからいかに時代思潮を再構成していくかという思想史一般の方法論の問題として、歴史・哲学・宗教学などの周辺諸分野の研究成果を参照しつつ深化させるとともに、その知見を広く学界に公開した。 本研究を遂行するにあたって、起請文を網羅的に収集してそのデータベースを作成するとともに、重要な史料についてはその所在地に出向いて現地調査を行なった。その成果は『起請文の精神史』(講談社)、「「神仏習合論」の形成の史的背景」(『宗教研究』353)など、数多くの刊行物として発表された。また、国内外の多くの学会で関連する口頭発表を行なった。 起請文は、専ら日本史の研究者が古文書学やイデオロギー研究の史料として用いてきたものであり、そこに時代思潮を読み取ろうとする試みは、従来皆無といってもよい状況であった。そうしたなかで、起請文一古文書を素材とする思想史的研究の提唱とその実践は、資料論の上からも方法論の問題としても、国内外の研究界からも大きな注目を集め、さまざまな議論を呼び起こした。
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