研究課題
基盤研究(C)
2006年8月にフランスのノルマンディーで行われた国際会議での成果を基に、シャバノンに関する総合的な共同研究が計画された。その結果、研究者(小穴)の担当は、シャバノンの音楽美学者としての側面に焦点をあてた研究となった。その他、ケタン教授はオペラ台本作家としての側面、ゲルタン教授は哲学者ヴォルテールとの関係を研究するなど多角的な視点からの共同研究となった。音楽思想家として注目されることはあっても、シャバノンに関する総合的な研究は今回が初めての試みでありその意義は大きい。この共同研究の成果は、フランス、ツール大学のケタン教授とカナダのモントリオール大学のゲルタン教授の責任編集によって、2008年3月に雑誌"Musicorum2007-2008"として出版された。この雑誌の副題は、Chabanonet ses contemporains(シャバノンとその同時代人たち)である。この雑誌に寄稿した日本人の学者としては小穴以外に18世紀のドイツ美学を専門とする東京大学の小田部胤久教授がいるが、本研究がこうした国際的、学際的な共同研究の一端を担うものであることは、交付申請書に研究実施計画として記載したとおりである。研究者(小穴)の担当した研究は、シャバノンの音楽美学者としての意義を音楽史との関係から古典派の美学思想家として評価した。さらに、この観点からシャバノンが同時代のドイツの音楽美学に与えた影響の大きさをも明らかにしたものである。従来の研究では、ヨーロッパ各国の縦割り研究というあり方が災いして、18世紀ヨーロッパ思想のコスモポリタン的な側面が看過されがちであった。本研究はその欠を補う。尚、シャバノンの著作『音楽についての考察』(1779)の全文の和訳と注釈を出版するべく、今年の9月に学術図書出版のための助成を申請する予定である。
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Musicorum2007-2008, Universite Francois-Rabelais, Imprimerie de 1'Universite de Tours 6
ページ: 279-290
Musicorum2007-2008, <6>, Universite Francois-Rabelais, Imprimerie de I'Universite de Tours
Musicorum2007-2008, Universite FranCois-Rabelais, Imprimerie de l'Universite de Tours 6
「グローバリゼーション状況下における芸術の論理と倫理」平成14年度〜平成17年度科学研究費研究成果報告書、研究代表者藤田一美
ページ: 77-84
The Theory of Arts and the Ethics under the Circumstances of the Globalization, The Results of Research Project, Grant-in-Aid for Scientific Research 2002-2005(Head Investigator, Kazuyoshi Fujita)
グローバリゼーション状況下における芸術の論理と倫理(平成14年度〜平成17年度科学研究費研究成果報告書(研究代表者藤田一美)
Horizons philosophiques, College Edouard-Montpetit, Canada 16-1
ページ: 101-111
Horizons philosophiques(College Edouard-Montpetit, Canada) 16, 1
Horizons philosophoques, Collage Edouard-Montpetit, Canada vol.16, no.1