研究課題/領域番号 |
17520116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 文人 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70098705)
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研究分担者 |
植木 研介 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20033508)
宇吹 曉 (宇吹 暁) 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (10110462)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,480千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | GHQ / CCD / 検閲 / プランゲ文庫 / 原爆文学 |
研究概要 |
本研究は、GHQ/SCAPが発出した十ヶ条のプレスコード(日本出版法)に基づき、CCD(民間検閲支隊)が1945年9月から1949年10月まで行った検閲の実態を明らかにすることを目的に、プランゲ文庫所蔵の広島県雑誌481誌を取り上げ調査・研究を行ったものである。この研究から明らかになったのは、以下の通りである。 (1)「原子爆弾」「原爆」「ピカドン」「ピカ」「アトム」「原子沙漠」「焼野原(ヒロシマと推定できるもの)」「焼跡(同左)」「8月6日」「ヒロシマ」の語を含む文章(ヒロシマ言説)は全部で313ヶ所であった。そのうち検閲の指摘を受けたものは21ヶ所であり、A-bomb,disastrous scene by bombなど欄外に英文注記がなされていたのは9ヶ所であった。 (2)第一次報告「GHQ/SCAP(民間検閲支隊)による検閲の実態」(平成15年度)で行った226誌を除く広島県雑誌255誌において検閲の指摘を受けた雑誌は102誌、434ヶ所であり、そのうちmention of occupation force等の英文注記が付されていたのは307ヶ所であった。 (1)(2)を通して言えることは、従来言われていた原爆・ヒロシマ言説に対して検閲が特にきびしかったというもの言いは必ずしも真実ではない、ということである。CCDが行った検閲は、広島県雑誌481誌で見る限り、原爆・ヒロシマ言説よりもむしろ、天皇制、軍国主義、ナショナリズム、政治・経済システム、連合軍、米国・進駐軍などに関する言説に、より厳格でナーバスであった、と言ってよい。
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