研究課題/領域番号 |
17520146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉浦 謙介 東北大学, 大学院国際文化研究科, 助教授 (40196712)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | フーヘル / 少数民族 / 東ドイツ / ドイツ人追放問題 / 社会主義民族理論 / ユダヤ人 / ソルブ人 / ジプシー |
研究概要 |
少数民族に関する東ドイツの地域的・思想的背景としてつぎの点を挙げることができる: ・フーヘルが60歳で亡命するまで住んだブランデンブルク州のヴェンデン人は、ザクセン州に住む同じスラブ系のゾルベン人に対して共同意識と対立意識をもち、また、ドイツ民主共和国時代には社会主義的民族政策のなかでゾルベン人に包摂されたことで、ヴェンデン人としてのアイデンティティを強くもつようになった。 ・東ドイツのジプシー(Sinti/Roma)は、ナチス時代に迫害を受け、さらに、ドイツ民主共和国時代には少数民族保護政策からはずされた。 ・ドイツ民主共和国では、ナチス時代のユダヤ人迫害は西側の資本主義者の責任とされた。ユダヤ人は社会主義者とともに迫害され、戦い、社会主義国家を作った者とみなされたが、同時に、アメリカ合衆国やイスラエルとの結びつきから社会主義国家の敵ともみなされた。また、ユダヤ人は、社会主義的民族理論にしたがって、ユダヤ教を信じる宗教集団と位置づけられた。 上の点がフーヘルの少数民族観および詩作品につぎのように反映している: ・フーヘルはヴェンデン人を原風景の重要な形象としている。そして、ゾルベン人とは区別している。第2次世界大戦直後においては少数民族および民衆の象徴的存在と位置づけた。しかし、ドイツ民主共和国時代には体制に保護されたヴェンデン人(ゾルベン人)に背を向けた。 ・ジプシーはナチス時代ばかりではなく、ドイツ民主共和国時代も迫害されたが、同じように迫害されたフーヘルは、自分をジプシーに投影するようになった。 ・フーヘルは、ナチスによるユダヤ人迫害については言及していない。1度だけ自分の詩の注釈に「Auschwitz」を用いたことがあるが、この語もユダヤ人迫害問題とは関係ない。また、フーヘルは、現実世界のユダヤ人の形象ではなく、旧約聖書のユダヤ人の形象を詩に用いた。
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