研究課題
基盤研究(C)
一九三〇年代前半の台湾文壇では文芸大衆化をめぐる論争が巻き起こった。一般に「郷土文学論争」とよばれるこの論争における焦点が、文芸大衆化の方策としての使用言語の選択にあったことは広く知られている。本研究の目的は各議論における「大衆」の概念が、個人、時代、論者の使用言語およびそのリテラシー等によって一様ではないことや、一九三〇年代に急速に発達したメディア(新聞、雑誌、映画等)がこうした「大衆」の捕らえ方にも大きく影響を与えていることに注目し一九三〇年代の台湾文学における「大衆」とは一体何であったのか。またその「大衆」はどのようなリテラシーを有していたのか、という問題を明らかにしようとするものであった。研究の結果、30年代の台湾には主として1)文盲層、2)漢文通俗文学層、3)日本語大衆読者層、4)中文エリート層、5)日本語エリート層の5層のリテラシー層が存在したことが明らかになった。さらには5)日本語エリート層の一人である楊逵に注目することで彼がプロレタリア文学の立場から1)文盲層に如何に係わろうとしたか、4)中文エリート層と5)日本語エリート層が1934年5月の台湾文芸連盟成立以降、どのように混在し、入れ替わって行ったのか、という問題について考察した。
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