研究課題/領域番号 |
17520229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
道坂 昭廣 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (20209795)
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研究分担者 |
要木 純一 島根大学, 法文学部, 教授 (00230631)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 日本漢文 / 明治漢詩 / 剪淞吟社 / 比較文学 / 横山耐雪 / 山陰の近代文学 / 中国文学 / 日本漢文学 / 明治漢詩文 / 日中比較文学 / 山陰地域の近代文学 |
研究概要 |
島根県立図書館に寄贈された、島根大学名誉教授}故入谷仙介博士が保存しておられた剪淞吟社関係の資料を中心に、剪淞吟社の資料を整理・保存することを第一の目的に作業を行った。まず、入谷博士の寄贈資料を整理し、図書蔵書の目録を作成した。剪淞吟社の雑誌である『剪淞詩文』全冊の複本を作成した。あわせて県立図書館等にも保存されていた吟社同人の原稿や印刷された個人の詩集と対照させて、推敲の過程について考察した。『剪淞詩文』の明らかな文字の間違いについては校正を行い、『剪淞詩文』の総目次と人名索引を作成した。人名索引に集約された同人に対する調査により、剪淞吟社は最盛期には、島根県内の人間だけではなく、東京をはじめ全国100名以上の同人が所属していたことが明らかになり、同吟社を単に山陰に存在した地方詩社と見ることの誤り、その大正から昭和における漢詩文文学に占めた重要な位置について証明することができた。総目次作成によって、同吟社が、例会をはじめ、四季折々の小詩会を開くととともに、山陰詩人大会のような総会を定期的に開催していたといった活動の実態を浮かび上がらせることができた。このことはこの時期の諸々の漢詩結社の活動実態に重要な資料を提供するものである。さらに総目次を通観すると、活動後期には、掲載されている作品が与えられた課題に応じた詩や聯句が大部分となり、創作意欲の衰退を如実に示している。この雑誌の考察を通して、漢詩文の日本文学史からの退場してゆく様子を実証することができた。
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