研究課題/領域番号 |
17520250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田口 善久 千葉大学, 文学部, 准教授 (10291303)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,230千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ミャオ・ヤオ諸語 / 地域伝播 / 歴史言語学 / 東アジアの言語 / 歴史文法 |
研究概要 |
平成19年度は、申請者が平成18年度においておこなった名詞類別のストラテジーに関する研究、重複形式の研究の成果にもとづき、さらにその範囲を拡大させるとともに、これまでの調査、先行研究、海外研究協力者からの情報によって得られたデータにもとづいて、いくつかの文法項目について、ミャオ・ヤオ諸語の文法特徴を比較対照する作業を行った。 (a)重複という形態法については、ミャオ語のいくつかの方言に見られる重複が、reduplicantに母音交替を起こす特異的なもので、ミャオ語祖語に遡る可能性が高いことがわかった。また、ミエン語ビャウミン方言のaugmentativeを表す重複は極めて特異的なものであり、他のミエン語の方言が状態動詞についてしか重複を行わないのに対して、動詞、名詞などのカテゴリーにも拡大している。今年度はこれについて共時的な分析を行うとともに、これがどのような歴史的発展を経たものであるかについても2つの変種を比較考察した。それによると、物質名詞の重複から始まって、他の名詞に発展した可能性がつよいことが推測された。 (b)次に、動詞の否定および疑問形式などの項目について、ミャオ・ヤオ諸語の諸方言を比較した。疑問形式においてA-notAという地域特徴が確認できるが、声調交替や動詞の前に疑問辞を置く形式があるなど多様性が強いことが確認された。 (c)次に場所を表す表現を文中で何が導くかという項目では、ある場所に存在するという場合には、所在動詞が用いられるが、動作の結果どこかに存在すると言う場合には、「置く、与える」という動詞が導く形式が広く見られ、これがミャオ・ヤオ祖語に遡るのではないかと考えられる。 以上の研究の成果は、国内の雑誌、学会、研究会で発表した。
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